米国の市場調査会社であるIC Insights社でアナリストを務めるBill McClean氏は、2010年に、パソコンと携帯電話機の出荷台数が2けたの成長を遂げると予測した。この予測は、半導体市場が間もなく好況に沸くことを示唆している。
2009年は、電子機器メーカーにとって良い年とは言えなかった。パソコンの出荷台数は横ばいで、携帯電話機の出荷台数は前年比でおよそ5%減少した。しかしMcClean氏は「2009年、世界経済は1946年以降で最も深刻な不況に陥った。この厳しい時期を耐えしのいだことを考慮して2009年の結果を見ると、不況下でも電子機器の需要は確実に存在すると言える」と語った。
2009年、世界の半導体市場の成長率は前年比約10%のマイナスに終わった。対照的にNAND型フラッシュ・メモリー市場は、2009年中に市場規模が20%も成長した。この市場は、2010年、2011年ともに、それぞれ20%を超える成長が見込めるという。
DRAMに向けた設備投資額は、2010年に2倍に増えると見込まれているが、DRAMの品不足を解決するには十分とはいえず、2010年もDRAMの価格は高騰すると同氏は予測する。NAND型フラッシュ・メモリーと同様に、DRAMの平均小売価格(ASP)は2009年第1四半期から第4四半期にかけて65%も急騰した。
好調な動きが見られる一方、2009年の中国での半導体生産数量は、世界市場全体の1.8%を占めるにとどまった。2004年の1.2%という数字からわずかに上昇したにすぎない。今後も中国は、半導体生産に関しては、それほど重要ではない位置にとどまることになりそうだ。
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