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GLOBALFOUNDRIES、2010年中に25億米ドルを設備投資に費やす計画ビジネスニュース 企業動向

» 2010年03月19日 14時16分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 米GLOBALFOUNDRIES社は、2010年中に25億米ドルを設備投資に費やすことを計画している。同社がドイツのドレスデンに保有する工場「Fab 1」でバイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャを務めるUdo Nothelfer氏によると、25億米ドルの設備投資で、300mmウエハーを使う半導体製造ラインの生産能力を50%向上させる予定だという。

 GLOBALFOUNDRIES社が設備投資に投入する25億米ドルもの資金は、同社が見積もる2009年の売上高ととほぼ同額だ。2009年9月には、シンガポールのファウンドリ企業Chartered Semiconductor Manufacturing社との合併契約を結び、製造能力拡大を着々と進めていた。2010年1月13日には合併が正式に完了している。今回の設備投資によりGLOBALFOUNDRIES社は、世界の半導体メーカーの中でも2010年の設備投資額ランキングで第4位に躍進する。ランキングの第3位に位置している台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)社にぐっと近づいた。

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 米国の市場調査会社であるIC Insights社が発表した最新の半導体メーカー設備投資ランキングと、TSMC社の2009年第4四半期の決算発表によると、2010年の半導体設備投資額で上位3位を占めるのは、韓国Samsung Electronics社、米Intel社、TSMC社で、設備投資額はそれぞれ、60億米ドル、53億米ドル、48億米ドルと見られる。

 GLOBALFOUNDRIES社は300mmウエハーを使う半導体製造工場を2カ所、200mmウエハーを使う半導体製造工場を5カ所所有する。その中でも最新の製造技術を持つのが、AMD社から引き継いだドレスデンのFab 1だ。Fab 1は、ウエハーにして月産およそ3万枚の製造能力を備えている。

 そしてNothelfer氏によると、Chartered Semiconductor Manufacturing社の買収によって得たシンガポールの「Fab 7」は、ウエハーにして月産およそ3万7000枚の製造能力を持つという。つまり、GLOBALFOUNDRIES社では現在、1月当たりおよそ6万7000枚の300mmウエハーを処理している。生産能力が50%上昇すれば、1月当たりのウエハー処理枚数は合計で約10万枚になる。

 Nothelfer氏は、「2011年までにFab 7の1カ月当たりのウエハー処理枚数を5万枚に高め、2012年半ばにはFab 1の処理能力を1カ月当たり6万枚に引き上げたい」と語っている。さらに、2012年半ばには、現在米ニューヨーク州に建設中の「Fab 8」も生産を始める予定だ。Fab 8では、1カ月当たり42000枚のウエハーを処理する計画だという。そして、2011年半ばにはFab 8へ半導体製造装置の導入を始める予定だという。

 同氏は、「生産能力拡大までに長い時間がかかることについては心配していない。当社は、設備稼働までに長い時間がかかることも想定して、長期的な計画を立てている。まさしく今、半導体市場は活性化している。この好況がいつまで続くか分からないという見方もあるが、当社の新設備投入計画は予定どおりだ。半導体製造装置メーカーとの交渉を終え、綿密な計画を立てた。生産能力の拡大に向けての準備は、順調に進んでいる」と述べた。

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