米Intel社と米Micron Technology社の合弁企業で、NAND型フラッシュ・メモリを開発製造している米IM Flash Technologies社が、シンガポールで多数の求人広告を出し始めた。同社はシンガポールに300mmウエハーを使用するNAND型フラッシュ・メモリーの工場を建設しているが、本格的な稼働が遅れている。今回の求人は、同社が工場の本格稼働に向け動き出したことの兆候と取れる。
シンガポールIM Flash Singapore社のウェブ・サイトでは現在、エンジニアリングと資材調達、人事などの部門で、61人を募集している。
Intel社とMicron Technology社は、不況に見舞われた2009年、シンガポールの工場に半導体製造装置の設置を延期した。この工場だけでなく当時は、不況の影響で、生産能力の拡張を目的としたプロジェクトの多くが延期を余儀なくされていた。アナリストらは、2010年に市況が好転してきたことから、延期されたプロジェクトのうち、いくつかが再開されると見ている。
Intel社とMicron Technology社は、同工場の設備の強化に関する情報を明らかにしていない。両社の広報担当者らは、四半期財務情報の報告に先立ち、「クワイエット・ピリオド(IR自粛期間)」であるとして、シンガポールでの求人や設備強化のスケジュールについてのコメントを避けた。
米国の投資銀行であるLazard Capital Marketsでアナリストを務めるDaniel Amir氏は、2010年1月に発表した報告書の中で、「Intel社とMicron Technology社は、本格的な稼働が遅れているシンガポールの半導体工場の設備強化を進めており、半導体製造装置も発注済みだ」と述べた。その後2010年2月にも、アナリストらは、Intel社とMicron Technology社がシンガポールの工場に向けて、オランダASML Holding社製のリソグラフィ装置3基などを発注したことを伝えた。両社はこの件に関するコメントも拒否した。
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