英国の市場調査会社であるStrategy Analytics社は、中国独自の第3世代携帯電話通信規格である「TD-SCDMA」に向けたベースバンドICの市場規模が2009年比で2倍に成長するという予測を発表した。これによって、台湾MediaTek社やスイスST-Ericsson社が利益を得ることになる。
Strategy Analytics社でアナリストを務めるStuart Robinson氏はリポートの中で、「当社は、TD-SCDMA向けベースバンドICの2009年における売上高は、携帯電話機向けベースバンドICの世界全体における売上高のわずか1.4%を占めるにすぎないと見ている。TD-SCDMA向けベースバンドICの市場では、MediaTek社とST-Ericsson社が大きなシェアを獲得している。両社は、GSMとTD-SCDMAの両方の方式に対応したベースバンド・チップを投入することで、大手携帯電話器メーカーにベースバンドICを大量に販売することに成功している」と述べた。
しかし、Strategy Analytics社は2010年から2011年にかけて、米Marvell社や米Qualcomm社、台湾MStar Semiconductor社、ドイツInfineon Technologies社などの半導体メーカー数社がTD-SCDMA向けベースバンドICの市場に参入すると予測している。
Strategy Analytics社の別のアナリストであるSravan Kundojjala氏は、「半導体メーカー間の競争は、TD-SCDMAに対応した携帯電話機の価格を下げる方向に働くだろう。この結果、中国ではTD-SCDMAが、W-CDMAやCDMA2000 1xEV-DOに対抗する世代携帯電話通信規格の地位を築くことになるだろう」と述べた。
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