モバイル機器を使った行動支援については、NTTドコモが小型ヘッドマウントディスプレイ「ARWalker」を使った拡張現実(AR)技術のデモを見せていたほか、エプソントヨコムが行動支援のアプリケーションの実現を後押しする、水晶素子を使った要素技術を紹介していた(図5)。
エプソントヨコムが会場で見せたデモは、同社の6軸センサー「AH-6100LR」を使って人の行動パターンを予測し、動きに合わせて効果音を出すというもの。AH-6100LRは、水晶素子を使った角速度(ジャイロ)センサーと加速度センサーをそれぞれ3軸分ずつ内蔵したモジュールである。「人の動きの初動を正確に検知することで、人の感覚とずれのないタイミングで、効果音を出すことが可能になった」(同社)という。
同社は、利用者の位置情報を活用したアプリケーションや、行動予測に基づいたアプリケーションが今後広がると考えている。「そのようなアプリケーションを実現するとき、既存のMEMSジャイロセンサーは、水晶を使うジャイロセンサーに比べて、測定誤差が大きい。その誤差が時間とともに蓄積されると、正確な状態把握が難しくなる。それでは、利用者に対して、心地の良い使い勝手を提供できないだろう」(同社)と説明した。
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