図2(a)を見た限りでは、電源フィルタはインダクタL1とコンデンサC1が直列に接続された回路です。並列になっている部分はどこにも見当たりません。
実は、アンプが抵抗成分になり、コンデンサに対して並列に入っています。アンプを抵抗として置き換えた等価回路を、図3(a)に示しました。アンプの消費電流は1段当たり6mAに設定しました。合計3段のアンプがありますので、全体の消費電流は6mA×3段=18mAです。これが電源電圧5Vで消費されているわけですから、等価抵抗は以下のようになります。
5V/18mA=278Ω
今回はエミッタ接地のアンプを使いましたので、消費電流は入力信号に依存します。この消費電流の変化は、図3(a)の電流源I1で置き換えています。図3(a)を見て下さい。アンプから電源側を見ると、まずC1があり、その先にL1があります。L1の先には電圧源V1がありますが、電圧源のインピーダンスはゼロですので、電流が変化したとしてもL1の先(つまり、Vcc)の電圧は動きません。
従って、5Vの電圧は印加しているのですが、交流信号にとってはグラウンド(GND)に接続されているのと同じ状態になっています。つまり、L1とC1が並列に接続されていることになります。 並列共振が発生してしまうと、アンプの電源電圧VCC2が、アンプ自身の電流でゆすられてしまうことになります。これは、非常にまずいことです。
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