市場調査会社である米国のForward Conceptsによれば、携帯電話機に使われる半導体チップやそのほかの部品を合わせた市場の規模は、2010年に497億米ドルまで成長し、2014年には710億米ドル規模にまで拡大する見込みだという。これは、年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)に換算すると、2010年から2014年までの期間で9.5%の成長率となる。
携帯電話機に使われる部品で最も高価なものは液晶ディスプレイ(LCD)であり、この市場全体の497億米ドル中、31%を占める。その次はデジタルベースバンド関連で14%を占め、さらにイメージセンサーが8%で続く。RF無線回路と通信プロセッサはどちらも7%を占め、MEMSデバイスは6%、パワーマネジメントICは5%を占めている。
同社は、携帯電話機向け半導体チップの2009年の売上高に基づくベンダーランキングも発表した(図1)。2009年の同市場を基に算出したものだ。同年の市場規模はおよそ250億米ドルと推定されている。
クアルコムが20%の市場シェアを獲得して2009年の携帯電話機向けチップ市場のトップとなった。第2位は14%を獲得したテキサス・インスツルメンツ、第3位は10%を獲得したST-エリクソンであり、携帯電話事業部門がインテルに統合されたインフィニオン テクノロジーズが9%で第4位に入った。続いてメディアテック、ルネサス、ブロードコム、サムスン電子、RFマイクロデバイセズ(RFMD)、Aptina Imaging(アプティナ・イメージング)が、さらにその後には手掛けるチップのタイプがさまざまに異なる半導体ベンダー大手が20社あまり続く。
今回Forward Conceptsは、携帯電話機関連の市場についてほかにも以下のような報告を出した。まず、スマートフォンの出荷は2010年に42%増加すると推定される。また、タッチパネル搭載の携帯電話機の出荷は、2009年には携帯電話機全体のうち14%だったが、2010年には27%に成長するとみられている。携帯電話機向けMEMSデバイスの市場については、ほとんどが加速度センサーだけだった段階を経て、マイクやジャイロスコープ、コンパス、そして高周波(RF)スイッチにまで拡大しており、2014年にはこれらの合計で60億米ドル規模のレベルまで成長すると予測されている。
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