市場調査会社である米国のParks Associatesが、ホリデーシーズンを前に行った消費者の購買意欲に関する最新の調査によると、2010年のクリスマス商戦は家電メーカーにとって厳しいものになりそうだ。
同社が米国のブロードバンド導入世帯に対して実施した調査では、2011年1月までに家電製品を購入する予定があるかという質問に対し、「購入する」と答えたのは全体のわずか38%だった。この数字は、2009年の同時期に行った調査では49%だった。一方、2011年1月までに家電製品を購入する予定は無いと答えた世帯は、前年の調査の51%から62%に増加した。
Parks Associatesでコンシューマリサーチ担当マネジャーを務めるYilan Jiang氏は、「2010年は、非常に良い年だとは言えないだろう。出荷数量はわずかに増加する見通しだが、激しい値下げ競争が続いていることから、売上高は横ばい状態になるとみている」と述べている。
今回の調査は、同社が2010年11月10日〜16日に2529人を対象に実施したもので、今後も景気の低迷が続くとの見方が購買意欲を阻害する最も大きな要因になっていることが分かった。さらに、激化する値下げ競争も、売上高全体の成長を圧迫する要因となる。
Jiang氏は、「2010年のホリデーシーズンは、売上高の大幅な増加は見込めない」とみる。
実際に、最も人気の高い家電製品でさえも、2009年に比べて販売数が減少している。今回の調査から年末商戦で最も人気を集めると予測される商品は薄型液晶テレビやLEDテレビで、15%が「購入する」と答えている。しかし、2009年の調査で薄型テレビを購入する予定だと答えた回答者が全体の19%に上ったことに比べると、減少傾向にある。
Jiang氏は、「このように、携帯電話機を含むあらゆる製品で販売の低迷が顕著となっている」と指摘する。
ただし、携帯型機器は、こうした傾向に多少なりとも抵抗しているようだ。スマートフォンは、2009年は消費者が購入したい家電製品ランキングで7位だったが、2010年の調査では第4位に躍進した。また、12%が購入したいと回答したノートPCも、1ランク順位を上げて、スマートフォンと同じく4位にランクインした。
デジタルスチルカメラは13%が購入したいと回答し、第2位の座に就いた。このほか、MP3プレーヤーや電子ブックリーダー、GPS搭載機器、デジタルビデオカメラ、Blu-rayプレーヤー、ゲーム機、ヘッドホンがそれぞれ10%と同率回答を獲得した。
これに続くのが、アップルのiPadをはじめとするタブレットPCで、9%の票を集めた。さらに、マイクロソフトのゲーム機「Xbox 360」用モーションコントローラ「Kinect」が8%で後を追う。
インターネットテレビを購入したいと答えた人の割合は、劇的に増加した。ただし、販売台数は依然、横ばい状態が続くと予想される。調査を実施したParks Associatesは、「インターネットテレビの販売台数は、2010年の210万台から、2011年は860万台に増加する」と予測している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.