富士通セミコンダクターは、2010年11月に発表した32ビット汎用マイコン「FM3ファミリ」を使ったデモを、組み込み機器の総合展示会「Embedded Technology 2010(ET2010)」(2010年12月1日〜3日にパシフィコ横浜で開催)で展示した。
FM3ファミリは、アーム(ARM)のプロセッサコア「Cortex-M3」を採用した同社初のマイコンファミリである(関連記事)。これを使ったデモを2種類展示し、A-D変換器やインバータ制御用タイマーなどマイコンに内蔵した機能を見せた。
1つ目は、「グリーンファクトリシステム」を制御する状況を模したデモである。(図1)。グリーンファクトリシステムとは、「インテリジェントな農場」を実現するために温度計や湿度計、水量計、照度計といったさまざまなセンサーで収集したデータを活用して、農場の照光機や送風機、散水機を制御するシステムをいう。
ブースでは、FM3ファミリマイコンを使って、温度や湿度、照度をあらかじめ設定した値に保つ状況を模したデモを見せていた。センサーの入力をマイコンが内蔵する12ビットのA-D変換器でデジタル化する。ネットワーク接続機能を使うことで、2つの異なる農場を連携して集中管理することも可能だ。このような仕組みは、コンテナ型の産業用冷蔵庫の集中管理システムにも展開できるという。
2つ目は、冷蔵庫などに使われるコンプレッサを制御するデモ(図2)。FM3ファミリマイコンの販売先はFA機器、産業機器や白物家電の分野であるという。これらの分野では、モーターのサーボ制御やインバータ制御が重要になる。制御波形をディスプレイに表示しながら、コンプレッサを正確に制御する様子を見せた。
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