市場調査会社である米国のガートナーは、2010年の世界半導体需要(購入額)について、第1位のヒューレット・パッカード(HP)をはじめとする上位10社の機器メーカー(OEM/ODM)が全体の34.7%を占め、1043億米ドルを費やしたとする推定結果を発表した。
市場調査会社である米国のガートナーは、2010年の世界半導体需要(購入額)について、第1位のヒューレット・パッカード(HP)をはじめとする上位10社の機器メーカー(OEM/ODM)が全体の34.7%を占め、1043億米ドルを費やしたとする推定結果を発表した(表1)。
ガートナーによれば、2010年の世界の半導体市場規模は、前年比33.7%増となる3003億1400万米ドルに達したという。
2009年世界半導体需要の上位10社のうち8社が、2010年も引き続きトップ10へのランクインを果たした。この10社には、米国とアジア太平洋地域、日本からそれぞれ3社と、EMEA(欧州、中東、アフリカ)地域から1社がランクインしている。
2010年の成長をけん引した主要製品は、モバイルPCやスマートフォン、液晶テレビだ。HPやアップル、デル、レノボなどのパソコンメーカーは2010年に、モバイルPCの旺盛な需要を受けて、デザインTAM(Total Available Market)ベースの購入額を大幅に増加させた(表1を参照)。サムスン電子は、スマートフォンの急成長の波に乗って成功を収めたが、ノキアは苦戦に終わっている。また、サムスン電子やソニー、東芝、パナソニックは、薄型テレビ市場の成長に支えられて、デザインTAMベースの半導体需要を大きく伸ばした。
アップルは、新しい形の垂直統合型メーカーとして、パソコンやスマートフォン、携帯型メディアプレーヤ、メディアタブレットなどに向けたハードウエアやソフトウエア、サービスを提供しながら、製造業務はEMS(電子機器の受託製造サービス)企業にアウトソースしている。また、アップルのテレビ向け事業は今のところ規模が小さいが、将来的な成長を見込んで今後もテレビ市場への投資を継続し、新しいIP(インターネットプロトコル)セットトップボックスを提供していくという。またグーグルも、テレビ市場に向けたプラットフォームビジネスを拡大していく予定だ。このためガートナーは、今後数年の間に、テレビ向けサービスプラットフォームが主要な成長市場になると予測している。
ガートナーでシニア・リサーチ・アナリストを務める山地正恒氏は、報道発表資料の中で、「購買TAMベースから判断すれば、アジア・パシフィック地域、とりわけ中国があらゆるデバイス領域、アプリケーション領域において最大のビジネス機会を提供している。それゆえ、ほとんどの半導体ベンダー、特に汎用品ベンダーにとっては、アジア・パシフィックにおける強力な販売網の構築を抜きにしてデザインイン活動の成果を満足に享受することは難しくなっている」と述べている。
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