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webOS搭載のタブレットとスマートフォンをHPが発表ビジネスニュース

» 2011年02月14日 16時05分 公開
[Dylan McGrath,EE Times]

 ヒューレット・パッカード(HP)は2011年2月9日に、以前から予告していた通り、同社にとって初となるタブレット型コンピュータ「TouchPad」と、スマートフォンの「Pre3」および「Veer」を発表した。いずれも、パームが開発した携帯機器向けOS「webOS」を搭載する。

 TouchPadは、静電容量方式のタッチセンサーを採用した9.7インチ型のマルチタッチディスプレイを備える。バーチャルキーボードと、インスタントオンアクセス機能を備え、Adobe Flash Player 10.1ベータ版に対応する。プロセッサは、クアルコムのデュアルコア「Snapdragon」を採用し、ストレージ容量が16Gバイトと32Gバイトのモデルを用意する。

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 HPでシニアバイスプレジデント兼パームグローバルビジネス部門担当ゼネラルマネジャーを務めるJon Rubinstein氏は、発表資料の中で、「われわれは今日から、新しいwebOSの時代へと突入していく。幅広いHPの製品シリーズを通して、最高のモバイル体験を提供していきたい。webOSプラットフォームは柔軟性に優れているため、ユーザーに優れた接続環境を提供できる革新的なデバイスを開発していく上で、理想的なOSだと言える」と述べている。

 同社が今回発表した2機種のスマートフォンのPre3とVeerも、webOSを搭載する。

 WebOSは、パームが独自に開発した携帯機器向けOSである。パームは2010年に、HPによって買収されている。WebOSは、Webと同じ標準に基づいているため、開発者にとってメリットが大きいと言われている。

 HPは今回、タブレット型コンピュータとスマートフォン市場に攻め込んだことにより、同社にとっては、携帯型機器市場においてネットブックだけにとどまらないプレーヤとしての地位を確立していく上で、大きな後押しとなった。こうした挑戦を成功させるためには今後、アップルをはじめとするこの分野の主要メーカーに立ち向かっていかなければならない。さらに、すでに市場に投入されている数多くのスマートフォンや、ブームの到来とともに各社が続々と製品化するタブレットとの競争も必至だ。

 HPのRubinstein氏は2010年11月に、「HPは今後、12カ月〜18カ月以内に、webOSを搭載した複数のスマートフォンとタブレット型パソコンを発表する予定だ」と明言していた。

 HPは、TouchPadのユーザーインターフェイスについて、「ユーザーのワークスペースを視覚的に表示できる」と述べている。複数のアプリケーションを同時に実行可能な、真のマルチタスクを実現できると主張する。

 Amazon.comは2011年2月8日に、HPのwebOSに向けて、TouchPad専用の無料の電子書籍ビューア「Kindle app」を提供すると発表した。これにより、Amazon.comのKindleストアが取りそろえる81万件以上のコンテンツへのアクセスが可能となる。ユーザー登録することにより、雑誌や映画、テレビ番組などをHP Movie Storeからダウンロードできるという。

 またTouchPadは、音楽アプリケーションも提供する。ユーザーは、自分の音楽コレクションを高い音質でTouchPadに転送して再生することが可能だ。

 さらにHPは、Quickofficeと協業することにより、Quickoffice Connect Mobile Suiteも搭載した。マイクロソフトの「Word」や「Excel」のように、ドキュメントの閲覧や編集が可能だ。また、VPNをサポートすることにより、企業ネットワークへの接続にも対応できるという。

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