市場調査会社である米国のIHS iSuppliによると、2011年の無線LANチップセットの出荷数は、前年比で2倍になる見込みだという。その理由として同社は、無線LAN機能がテレビからカメラ、車載エンターテインメントシステムに至るまで、さまざまな電子機器に標準的な機能として搭載されるようになったことを挙げている。
IHS iSuppliの最新リポートによると、無線LANチップセット(ほとんどはWi-Fi Alliance規格準拠品)の出荷数は、2011年に前年比101.5%増となる7億3890万ユニットに達する見込みだという(図1)。チップセットの出荷数はその後も増加を続け、2012年には10億ユニットを超え、2014年には20億ユニット以上に達すると同社は予測している。
IHS iSuppliのシニアディレクタで、民生/通信分野の電子機器を担当する主席アナリストのJagdish Rebello氏は、報道発表資料の中で、「ワイヤレス接続は今や、コンピュータ、民生、通信、そして自動車の各市場向けの電子機器で無くてはならない機能になった。最近では、いつでもどこでも通信したりコンテンツに接続したりできない電子製品は、消費者に『欠陥品』と見なされてしまう」と述べた。
無線LANチップセットは、ポイントルータやブリッジルータなど、スタンドアロン型の製品のほか、ノートPCや携帯電話機、テレビなどの機器への組み込み向けに採用されている。
IHS iSuppliは、「無線LANチップセットは主に、無線LAN規格であるIEEE 802.11nに準拠しているが、この他の通信技術も、消費者の日常に深く溶け込みつつある」とした。例えば、無線PAN(WPAN:Wireless Personal Area Networking)分野ではBluetoothや近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)技術が、そして住宅やビル向けのホームオートメーションシステムやスマートメーターの分野ではZigBeeなどが挙げられる。
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