目的は電気自動車の効率(走行距離)向上だという。フリースケールは今回の協業により、電気自動車の電源管理、モーター制御などパワートレーンの開発に必要な主要電子部品、開発ツールなどが全て整った。
Freescale Semiconductorは、2011年4月11日(米国時間)ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)向けの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)技術と製品開発において、富士電機と協業することで同意したと発表した。
富士電機の100%子会社である富士電機システムとともに、Freescale Semiconductorは製品ポートフォリオに富士電機の高性能IGBTを追加し、顧客の需要に基づいた製品開発・販売を行う。
Freescale Semiconductorは、「富士電機のIGBTを追加することで、マイクロコントローラやアナログゲートドライバ、バッテリ監視IC、パワーIGBT、モデリング/シミュレーションツール、ソフトウェアなど、EVシステムのモーター制御開発に必要な主要電子部品の製品ポートフォリオが全て整った」と述べている。
IGBTは、HEVやEVのトラクションモーターを駆動するために使用する高電圧高電流対応のスイッチング素子で、効率の高さとスイッチング速度から出力20kW〜120kWのEV用モーターに適しているといわれている。
Freescale Semiconductorでシニアプレジデント兼RF、アナログおよびセンサー・グループのゼネラルマネジャーを務めるTom Deitrich氏は、発表資料の中で「当社は性能の高さと容量の大きさから富士電機のIGBT技術を選んだ」と述べている。
また、富士電機システムズの執行役員兼半導体事業本部長を務める柳沢邦昭氏は、「Freescale Semiconductorとの協業によって、当社のIGBT技術は今後、EVのエネルギー効率の向上に寄与できるようになる」と述べている。
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