STMicroelectronicsは、3軸加速度センサーと3軸磁気センサーを1つのパッケージに収めた6軸MEMSセンサーモジュール「LSM303DLM」を発表した。従来品に比べて消費電力が50%少なく、磁気感度が30%高いという。
STMicroelectronicsは、3軸加速度センサーと3軸磁気センサーを1つのパッケージに収めた6軸MEMSセンサーモジュール「LSM303DLM」を発表した図1。電子コンパスとして搭載すれば、携帯機器のバッテリー利用時間を延長できるという。LSM303DLMは、従来品に比べて消費電力が50%少なく、磁気感度が30%高いという。STMicroelectronicsは今回、消費電力や量産コストの低減に取り組むことで、2米ドルを下回る価格で消費電力の削減と感度の向上を実現したと主張する。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、電子コンパスの世界市場は、2010年には11億米ドル規模だったが、2015年には19億米ドル規模に成長する見込みだという。既存の電子コンパスの大半は、ホール効果素子を利用している。
STMicroelectronicsの磁気センサーは、他の電子コンパス・チップメーカーが供給する一般的なホール効果センサーで採用されている、フラックスコンセントレーターが不要だという。同社はフラックスコンセントレーターの代わりに、Z軸の感度をX軸とY軸の感度と同じにすることで、測定エラーを低減することに成功したという。建物内の金属や自動車など、都市内のさまざまな干渉源の影響を減らすことができ、ホール効果が生じにくくなる可能性がある高緯度でも利用できるようになったという。
LSM303DLMの外形寸法は5mm×5mm×1mmで、消費電流は約360μA。経年変化や温度変化に対する安定性を向上させた。また、同社従来品との端子互換性を備えるため、容易に置き換え可能だ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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