京セラキンセキは、温度センサーを内蔵した水晶振動子「CT2520DB」を開発した。温度センサーを内蔵することで、水晶振動子に隣接した位置で温度変化を検知することができる。
京セラキンセキは、温度センサーを内蔵した水晶振動子「CT2520DB」を開発した。温度センサーを内蔵することで、水晶振動子に隣接した位置で温度変化を検知することができる。この結果、最適な温度補償が可能になったという。「携帯電話機やスマートフォンに搭載される水晶振動子において、温度センサーを内蔵したタイプの製品化は初」(同社)。
一般に、携帯電話機やスマートフォンでは、安定して通信するための基準信号源として、温度補償型水晶発振器(TCXO)をチップセットと組み合わせて使う。TCXOは、周波数精度が高いという特徴がある一方で、部品コストも高い。そこで、最近のQualcommのチップセットでは、チップセット側に温度補償回路を内蔵することで、一般的な水晶振動子と温度センサーを使いながら、TCXOに匹敵する周波数精度となる仕様になっているという。
ただこのような仕様では、水晶振動子と温度センサーの物理的な距離に起因した温度検知の誤差を抑えることが課題になっていた。京セラキンセキが開発したCT2520DBは、温度検知の誤差を抑えることを目的に、温度センサーを水晶振動子と同一パッケージに搭載し、隣接させた。
パッケージの外形寸法は、2.5mm×2.0mm×1.0mm。発振周波数は19.2MHz、周波数精度は±10〜±50ppm(25℃において)、動作温度範囲は−30〜105℃である。直列抵抗は最大80Ω、推奨する励振レベルは最大100μW。水晶振動子の発振回路の負荷容量は、6pFや7pF、8pF、10pF、12pFなどに対応する。既に、サンプル出荷を開始しており、2011年秋に量産を開始する予定である。
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