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【NIWeek 2011】仮想計測からシステム開発へ、NIのCEOが語るLabVIEWの将来像テスト/計測

National Instrumentsのカンファレンス兼展示会「NIWeek 2011」が、2011年8月2日(現地時間)に開幕した。初日の基調講演には、同社の創業者でプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるJames Truchard氏が登壇し、「Innovation in the Era of Graphical System Design」というタイトルのプレゼンテーションを通して、同社のビジョンを語った。

» 2011年08月03日 11時21分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 National Instruments(NI)のカンファレンス兼展示会「NIWeek 2011」が、2011年8月2日(現地時間)に開幕した。

 NIWeekは、同社が本社を構える米国のテキサス州オースチンで毎年8月に開催されているイベントである。同社幹部による基調講演の他、同社の主力製品であるグラフィカル開発ツール「LabVIEW」や計測/制御ハードウェアを紹介する展示会、5つの分野*1)に分かれた技術サミット、合計222もの技術セッションなどで構成している。NIWeekに合わせて、LabVIEWの最新版や、計測・制御に関連したさまざまなハードウェアの新製品が発表されることも特徴である。8月2日時点での参加登録者は3300人に上る。

 初日の基調講演には、同社の創業者でプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるJames Truchard氏(図1)が登壇し、「Innovation in the Era of Graphical System Design」というタイトルのプレゼンテーションを通して、同社のビジョンを語った。 

図 図1 National Instrumentsの創業者でプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるJames Truchard氏

 まず同氏は、これまでの製品開発の歴史を振り返り、ソフトウェアでハードウェアの処理内容を定義する「Virtual Instrumentation(仮想計測器)」という新しいコンセプトを提案した経緯や、CPUやFPGAの高性能化に合わせて同社の計測/制御ハードウェアが進化してきたことを紹介した。

ツールからプラットフォームへ

 その後、National Instrumentsの今後の25年を見通すビジョンとして紹介したのが、「Next 25 Years―Expanding Role of LabVIEW into System Design」という方向性である(図2)。

図 図2 LabVIEWをシステム開発のプラットフォームの一部として位置付け、発展させてゆく

 同社は、LabVIEWを中心にしたグラフィカル開発ツールと、グラフィカル開発ツールで作成したアプリケーションソフトウェアを動かすさまざまなターゲットハードウェアを合わせて、「Graphical System Design Platform(グラフィカル・システム開発プラットフォーム)」と呼んでいる。このグラフィカル・システム開発プラットフォームを、計測/テストや、状態/環境モニタリング、組み込み機器開発、機器制御、ロボット開発といったさまざまな分野に対し、強化し続けることを明確に示した(図3図4)。

図 図3 Graphical System Design Platformの適用領域 写真中央部の組み込み機器開発や右部の制御機器の開発にとどまらず、計測/テストの領域も対象に位置付けた点が今までと異なる。
図 図4  Graphical System Design Platformの適用領域を別の視点で表現 「設計」、「試作」、「実装」という機器開発の一連の流れだけではなく、開発した後の計測/テストの工程も、同じプラットフォームで取り扱えることを強調した。

 同社では数年前から、Graphical System Designというコンセプトを提案していた。ただ、対象分野や語る人ごとに必ずしも解釈が明確ではなかったという。NIWeek 2011では、グラフィカル開発ツールとターゲットハードウェアを合わせたプラットフォームを通して、グラフィカルなシステム開発を支援するというコンセプトを、組み込み機器開発や機器制御といった分野のみならず、データ集録や自動計測といった分野に対しても統一して展開すると説明した。

*1)5つの技術分野とは、「エネルギー」と「ロボット」、「宇宙/防衛」、「ワイヤレス」、「画像処理」である。それぞれのサミットで、各業界に特化した基調講演と、複数の技術講演が用意されている。



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