ABI Researchは、2016年にはスマートフォン全体の97%にタッチスクリーンが搭載されるようになるとの予測を発表した。スマートフォンの成功に貢献したタッチスクリーン技術は、低コストの静電容量方式が登場するなど、確実に進化を遂げている。
米国の市場調査会社であるABI Researchによると、2016年にはスマートフォン全体の97%が、タッチスクリーンを搭載したものになるという。2010年の時点では75%だったので、6年間で20%以上増加することになる。
ABIによると、「3G(第3世代)のデータ通信速度はもちろん、タッチスクリーンもスマートフォンの普及を後押しした要因である」という。タッチスクリーンを搭載したスマートフォンは、Appleの初代「iPhone」がまだ発売されていなかった2006年には、スマートフォン全体のわずか7%ほどだった。現在、スマートフォンの市場規模は2006年比で325%も増加したが、タッチスクリーンはこうした大きな成功を支えた重要な要素であるといえる。
最近のスマートフォンには、低コストの抵抗膜方式タッチスクリーンに代わって、より滑らかな操作が可能な静電容量方式タッチスクリーンを採用する傾向が世界的にみられる。ABIは、「iPhoneが静電容量方式のタッチスクリーンを採用したことで、同方式のタッチスクリーンが携帯端末にも搭載されるようになった。タッチスクリーン技術は今後もさらに発展し、スマートフォン以外の携帯電話機市場に新しい風を吹き込むだろう」と述べている。
ABIのモバイルデバイス部門でバイスプレジデントを務めるKevin Burden氏は、発表資料の中で、「静電容量方式タッチスクリーンは、2層センサー型から1層センサー型に変えることでコストを約30%削減できる。より安価な1層センサー型の静電容量方式タッチスクリーンが、ローエンドの携帯電話機の分野で新しい市場を生み出している」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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