LTE市場が活発化している。基地局の数は2015年までに150万台に達する他、LTEサービス関連の契約を交わす通信事業者/携帯電話インフラベンダーも増えている。
米国の市場調査会社であるIn-Statが発表した最新のリポートによると、通信事業者が導入するLTE基地局の台数は、2015年までに約150万台に達する見込みだという。同市場では、業界最大手のEricssonに続き、Alcatel-LucentとHuawei Technologiesが第2位の座をめぐり競争を繰り広げている。
In-Statでアナリストを務めるChris Kissel氏は、「EricssonとAlcatel-Lucentは、米国の通信大手であるVerizonやAT&Tと、LTEのネットワーク設備に関する契約を締結していた。このため、LTEのリーダー的企業としての地位を早い段階で確立できた」と述べている。
この他、Nokia Siemens Networksが、Telecom ItaliaとLTE関連の契約を締結している。またHuawei Technologiesは、オーストリア国内でA1 TelekomとT-Mobileとの契約を勝ち取った。さらにKissel氏は、Samsung Electronicsが、LTEに対応したスマートフォンを米通信キャリアのMetroPCSに提供していることから、「LTEのサービスが始まったばかりの韓国にとって、Samsungは重要な役割を担うだろう」と述べている。
In-Statのリポートでは、2012年におけるLTEルータ/ゲートウェイメーカーのトップ5として、Alcatel-Lucent、Cisco Systems、Ericsson、Huawei Technologies、Nokia Siemens Networksを挙げている。また、LTEの無線アクセスネットワーク(RAN)の市場規模は、2011年から2015年にかけて年平均成長率41%で伸びる見込みだという。
In-Statは、「Ericssonが2014年までに、LTE市場の首位に立つ」と予測している。また、2015年におけるLTE RAN製品の売上高については、携帯電話インフラベンダー4社の合計で、20億米ドル以上になるとしている。
アジア太平洋地域では、2015年にLTEの導入が大幅に進むという。市場シェアは、Ericsson、Huawei Technologies、Alcatel-Lucent、Nokia Siemens Networksが、それぞれ10%ずつ占める見込みだ。また、中南米地域のLTE市場においてはAlcatel-Lucentの勢いが強く、第2位にCiscoが、第3位にEricssonが続いている。
この他、In-Statのリポートでは、2015年までのLTEサービスへの加入者数や接続ポイント(POP:Point of Presence)の数についても予測している。同リポートの調査対象には、167社の携帯通信事業者のほか、全世界の20カ所のLTE市場が含まれている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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