村田製作所が電動歩行アシストカーを開発した。同社が自転車型ロボットの「ムラタセイサク君」と一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」で培った倒立振り子制御を応用したという。
村田製作所は、同社の電子部品技術のPRを目的に開発した自転車型ロボットの「ムラタセイサク君」と一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」で培った倒立振り子制御技術を応用し、電動歩行アシストカーを開発した(図1)。2011年10月4〜8日に幕張メッセで開催されるエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」で実機を展示する。
倒立振り子制御技術とは、ロボットがそれ自体の傾きを検知し、倒れる方向へ本体を移動することで、転倒を防ぐバランス制御技術である。今回開発した電動歩行アシストカーはこの技術を応用して、利用者の転倒を防止する機能を実現した。内蔵したジャイロセンサーで本体の傾きを検知し、タイヤを制御することでバランスを保つ仕組みである。
さらにこの制御方式を使うことで、アシストカーの本体を利用者が軽く押す(もしくは引く)と前進(もしくは後退)の動作を電動モーターの力で補助する「パワーアシスト」の機能も実装した。同社は、「シルバーカー(高齢者向けの手押し車)などの福祉用具や、ベビーカーやショッピングカートなどの重いものを運搬するシーンでの活用が期待できる」と述べている。なお同社がWebサイトに掲載している発表資料では、この電動歩行アシストカーの動画も公開されている。
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