東芝は、リモコン操作でも待機時消費電力を0Wにできる「ecoチップ」を搭載した液晶テレビの試作品を公開。試作品のベースモデルの待機時消費電力が約0.13Wであるのに対して、試作品は0Wになることを示した。
東芝は、「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4日〜8日、幕張メッセ)において、リモコン操作でも待機時消費電力を0Wにできる「ecoチップ」を搭載した液晶テレビの試作品を公開した。同社は、ecoチップ搭載製品について、2011年度末までの商品化を目指している。
ecoチップは、リモコンの電源ボタンを押して液晶テレビの動作を停止させた場合でも、液晶テレビ本体の電源スイッチをオフにした時と同様に待機時消費電力を0Wにできるように東芝が開発したICである。試作品のベースモデルである32インチの「REGZA」は、待機時消費電力が約0.13W。展示では、リモコンの電源ボタンを押して試作品の動作を停止させると、待機時消費電力が0Wになることが示された(図1)。
ecoチップを用いて待機時消費電力を0Wにする仕組みは以下のようになっている(図2)。AC電源と液晶テレビの内部電源の間に機械式リレーを組み込む。そして、ecoチップは、このリレーを動作させるドライバーIC、リモコンの受光素子、大容量の電気2重層キャパシタと接続しておく。リモコンの電源ボタンを押して液晶テレビの動作を停止させると、ecoチップはドライバーICに信号を送信してリレーを切断する。ecoチップは、電気2重層キャパシタの電力を用いることにより、AC電源が切断されている間も動作している。再度、リモコンの電源ボタンが押した時には、動作を続けていたecoチップがリモコンからの信号を受信したことを認識してリレーを接続する。ecoチップの消費電力は150μWと小さいので、液晶テレビが動作している間に電気2重層キャパシタに充電した電力だけで動作を続けることが可能だという。
ecoチップの試作品も展示されていた(図3)。外形寸法は2.8mm×2.8mmで、端子数は48本。製造は東芝社内では行わず、ファウンドリに委託する方針である。
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