「既に大量生産が可能な状態」(Intel)とされている22nmプロセスの「Ivy Bridge」。Ivy Bridge用のチップセットと同時に、来年春には市場に投入されそうだ。
22nmプロセスを採用したIntelのCPU「Ivy Bridge」は、2012年3月に出荷される見込みだという。当初の計画から四半期遅れになるものの、同社が見直した期限である“2012年春”の出荷には十分間に合うことになる。
Intelは当初、2012年1月に米ネバダ州ラスベガスで開催される「2012 International CES」で発表できるよう、2011年後半の完成を目指していたが、Intel側の理由で開発スケジュールに遅れが生じているという。なお、同社のCPUシリーズ「Sandy Bridge」は、2011年1月に開催されたCESで発表されている。
Intelは2011年10月18日、同年第3四半期の決算を発表した。その会見で、同社のCEOを務めるPaul Otellini氏は、「Ivy Bridgeは既に大量生産できる段階にあり、2012年春には出荷できる見込みだ」と述べた。一方、業界のアナリストらは、「“春”よりもやや早い、2012年第1四半期末にはIvy Bridgeが出荷されるのではないか」と予想しているようだ。
PC関連技術の記事やホワイトペーパーの発信を手掛ける米国の企業Real World Technologiesでアナリストを務めるDavid Kanter氏は、「Intelは、2012年第1四半期初めから中盤にかけて、Ivy Bridgeを機器メーカーに向けて出荷する」と述べている。
Kanter氏は、「Ivy Bridgeの完成が遅れているのは、Intelが、プレーナプロセスからFinFETへの移行に向けて22nmプロセス製造を新たに強化しているためだ。こうした動きは、十分に理解できるものだといえる」と加えた(参考記事:「ムーアの法則はまだまだ継続」、Intelが3次元ゲート構造を22nmプロセスから採用)。
台湾のマザーボードメーカーからの匿名の情報によると、「Ivy Bridgeでは、デュアルコアおよびクアッドコアの両方が提供される。また、Ivy Bridge用のチップセットとして、『Z8/P67』に代わる『Z77/Z75』も発表される」という。さらに、熱設計電力(TDP:Thermal Design Power)は、デュアルコア品が35Wと55W、クアッドコア品が45W、65W、77Wになる見込みだという。
一方、Intelのサーバー向けプロセッサシリーズ「Xeon E5」の提供開始も当初の予定より遅れる見込みだ。Kanter氏は、「Xeon E5の提供は1四半期分遅れるだろう。主な理由として、プラットフォームレベルの検証の遅れや、競争圧力が無いことなどが挙げられる」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.