電子部品のカタログ販売を行うRSコンポーネンツ。12万点の在庫を抱えながら、受注の翌日には部品を届けるというシステムを確立している。そのシステムを維持する秘訣は? 神奈川県にある同社の倉庫で、受注から発送までの流れを追った。皆さんが注文した部品が配送業者の手に渡るまでを、数多くの写真でリポートする。
アールエスコンポーネンツ(以下、RSコンポーネンツ)は、研究開発や試作、保守/メンテナンスの分野向けに、電子部品をカタログ販売する企業だ。電子部品は、数千〜数万個単位で販売されるのが一般的だが、上記のような用途では少量しか必要としない場合も多いため、RSコンポーネンツでは、1個から購入できるようになっている。平日18時までに注文すれば、離島など一部の地域を除いて、日本全国翌日には部品が届く。
倉庫に常時12万点の在庫を抱えながら、上記のような迅速な配達が可能で、なおかつ誤出荷率(部品を受け取った顧客からクレームがくる割合)は0.04%を下回るという。
その理由として、まず挙げられるのが、倉庫での作業を専門業者の日本ロジテムにアウトソーシングしていることだ。RSコンポーネンツの担当者は、「アウトソーシングの最大の利点は、プロパティ(人材や倉庫の面積など)を柔軟に変更できることだ。電子部品の需要は変動が激しいので、その時の需要状況に応じて適切な人員配置を行えるのはベストである」と説明する。
また、独自の「一体型帳票」を使用していることも、低い誤出荷率を維持できる秘訣(ひけつ)だ。一体型帳票とは、発注書、納品書、請求書、宅配便の伝票を1枚にまとめたものである。発注書には、受注した部品の品番や個数といった受注内容の他、その部品が倉庫のどこに置いてあるのか示す“住所”のようなもの(ロケーション)も記載されている。RSコンポーネンツによれば、「通常、発注書や納品書、請求書などは個別なので、それらをつき合わせる作業の時にミスが発生しやすくなる。一体型帳票を用いることで、つき合わせの手間が省ける上に、ミスも防ぐことができる」という。さらに、宅配便の伝票部分はシールになっており、はがして荷物の上に貼れば、そのまま宅配業者が集荷できる。
では、部品の受注から発送までの実際の作業は、どのように行われているのだろうか。神奈川県横浜市にある倉庫で、その流れを見学した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.