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RamtronがFRAMを発表、消費電流は1MHz動作時に20μAメモリ/ストレージ技術

Ramtronは、「Design West」で、低消費電力のFRAM(強誘電体メモリ)を発表した。EEPROMでは実現できないレベルまで消費電力を下げることに成功したという。

» 2012年04月02日 12時04分 公開
[Dylan McGrath,EE Times]

 FRAMベンダーのRamtron International(ラムトロンインターナショナル)は2012年3月27日、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたエレクトロニクス機器の設計者向けイベント「Design West」(2012年3月26〜29日)で、低消費電力のFRAM(強誘電体メモリ)チップを発表した。

 Ramtronは、この新しいFRAMチップ「FM25e64」で、エネルギー効率やアクセス速度を高めることに成功したという。また、同チップを用いることにより、製品の安全性を高めることができると主張する。

 Ramtronは、同じくDesign Westで、無線接続機能を備えたメモリ「FM72016」と、同社が「プロセッサーコンパニオン(Processor Companion)」と呼ぶ製品の1品種である「FM31T378」のデモンストレーションを披露した。プロセッサーコンパニオンとは、プロセッサベースのシステム向けに、リアルタイムクロック(RTC)やプロセッサ監視機能、その他の周辺機能を搭載したFRAMである。これらのFRAMチップを用いることで、計測器やPOS(Point Of Sale)端末、データロギングシステムなどの電力消費量を抑えられる他、データの統合性を高めることができるという。また、顧客が導入する機器や装置の数を減らせるようになるため、結果的にメンテナンス費用の削減にもつながるとしている。

 Ramtronは、「当社のメモリ技術は、高い耐久性や低い消費電力などを実現している」と主張する。例えば、「FM25e64」の消費電力は、EEPROMなど既存の不揮発性メモリ技術では実現できないレベルに達したという。FM25e64の動作電圧は1.5Vまたは1.8Vで、消費電流は20μA(1MHz時)、起動やデータの書き込み、シャットダウンにかかる時間は20μs程度で済むとしている。

 Ramtronのグローバルマーケティング部門でバイスプレジデントを務めるScott Emley氏は、報道発表資料の中で、「消費電力は、電圧値や電流値といった数値だけでは測れない。システムが不揮発性メモリにアクセスする速度や周波数は、エネルギー消費全体を大きく左右する。動作電圧や消費電流が低いという特徴を備えたFM25e64を用いることで、消費電力を抑えつつ、システムの性能を高めることができる」と語った。

 FM25e64のサンプルは、Digi-KeyやMouser ElectronicsをはじめとするRamtronの正規代理店で購入可能だ。量産出荷は2012年後半に開始する予定で、1万個購入時の参考単価は95米セントになる見込みだという。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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