新興企業であるIsansysのCEO(最高経営責任者)を務めるKeith Errey氏は、ばんそうこうのように身体に貼り付けて心拍数や呼吸数をモニタリングする「LifeTouch」のデモンストレーションを行った。同氏は、この分野のパイオニア企業として知られるToumaz Technologyの共同創設者でもある。
Errey氏は、LifeTouchを、まずは英国とインドの病院やクリニックに売り込みたいとしている。
LifeTouchは、この種の他の製品と同じように、心拍数、呼吸数、体温、血圧などをリアルタイムで計測し、モニタリングする。Errey氏は、「連続的に計測したデータの方が、1回1回時間をあけて測定したデータよりも、詳しい知見が得られる」と述べる。
Errey氏によれば、心拍数や血圧などのモニタリングが不十分であったり、モニタリング結果を誤った方法で健康管理に利用したりすることで、年間20万人が米国の病院で亡くなっているという。「自分の健康状態をきちんと把握していれば、かかりやすい病気などもある程度は予測できる」(Errey氏)。
同氏は、「LifeTouchは、健康管理の分野に新風を吹き込むだろう。日常生活においてこれほど手軽に健康状態をモニタリングする方法は、今までなかった」と付け加えた。
オランダのアイントホーフェンにあるPhilipsのラボでは、外科ロボットから“ヒーリングルーム”と呼ばれる部屋に至るまで、病院での活用を目指したネットワーク技術を開発している。
PET-CTを使ったがん検査の際のストレスを緩和するために、照明や音楽、ビデオなどを自動で操作し、“安らげる待合室”を作ることを目的にしている。なお、PET-CTとは、陽電子断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)とコンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)を組み合わせた診断装置を指す。
Philipsは、病室やICU(Intensive Care Unit:集中治療室)にも同様のコンセプトを導入しようとしている。照明器具と医療機器、消費者向け機器を統合したものになりそうだ。例えば、医師や看護士が病室に入った際、胸につけている名札が壁に投影されるようなシステムなどもあるという。
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