中国の民生機器IC市場において、外国企業は、もはや地元の企業に太刀打ちできなくなっているという。では、中国企業と外国企業は何が違うのか。そして、外国企業が中国市場で生き残るには、何が必要になるのだろうか。
中国のファブレス半導体メーカーであるRDA MicroelectronicsでCEO(最高経営責任者)を務めるVincent Tai氏は、EE Timesが中国で行ったインタビューの中で、「民生機器向けICの中国市場において、中国以外の外国企業が、地元のファブレス半導体メーカーと渡り合うことは、非常に厳しくなっている」と主張した。
欧米人は、中国や中国の家電市場に対して誤解していることが多い。中でも、「中国の家電メーカーの役割は、安いコストで機能の乏しいテレビを組み立てて、中国の消費者が購入できるような低価格で販売することである」という認識は、彼らに最もありがちな思い違いといえる。しかし、欧米人のこうした認識は……記事全文はこちらから
RDAは2004年に設立され、2010年11月にNASDAQに上場した。セルラー通信やブロードキャスト通信向けのRF ICおよびミックスドシグナルICを、中国の携帯電話機メーカーに提供している。
RDAは、中国の携帯電話機市場の主要なサプライヤである。IHS iSuppliによると、中国の機器メーカー向けのパワーアンプ、Bluetooth IC、FMチューナ、DVB-Sチューナの各市場において、RDAはトップのシェアを持っているという。
RDAが世界の半導体市場でBroadcomのようなメーカーと競えるようになるまでには、依然として長い道のりがある。だが、中国市場を制したことで、RDAは大きく前進したとTai氏は述べる。
RDAが中国で確固たる地位を築いたことは、今後、RDAのような中国半導体メーカーが世界のエレクトロニクス市場を席巻するケースが増えていくことを示唆している。その根拠として、Tai氏は、Analog DevicesやTexas Instrumentsといった中国以外の外国企業が、中国のベースバンド半導体市場から撤退したという事実を挙げた。また、厳密には中国のメーカーではないが、台湾の二大ベースバンド半導体メーカーであるMediaTekとMStarは、中国との関係を活用することで、中国のベースバンド市場を手中に収めた。
Tai氏は、「特に中国の携帯電話機市場やセットトップボックス市場において、外国の半導体メーカーがシェアを拡大することは非常に難しくなるだろう。中国のサプライチェーンでは、50%の粗利益率を得ることはできないからだ」と語る。
ファウンドリ、設計会社、システム開発やパッケージングを手掛ける機器メーカーから成る完全なエコシステムが中国に存在する以上、「中国市場で利益を得るには中国企業になるしかない」(Tai氏)という。
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