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スマホ市場の王者交代? 大画面化の先行でSamsungに追い風ビジネスニュース オピニオン

大画面化が進むスマートフォン市場において、Samsungの存在感はますます大きくなっている。Appleも大画面化を意識しているようだが、Samsungは「Galaxy Note」や「GALAXY S III」など、画面が大きいスマートフォンを先行して市場に投入しており、有利な状況にある。

» 2012年07月19日 11時54分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 スマートフォンの大画面化が進んでいる。このトレンドに乗っているのがSamsung Electronicsだ。一方、Appleは現時点では、このトレンドに対応していない。Samsungの「Galaxy Note」や「GALAXY S III」は、次世代スマートフォン市場で重要な要素となるであろう要素を、他社に先駆けて搭載した製品である。

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 GALAXY S IIIは、解像度が720×1280ピクセルでサイズが4.8インチのアクティブマトリックス型有機ELディスプレイを搭載している。Galaxy Noteの画面はさらに大きく、解像度800×1280ピクセルの5.3インチディスプレイを搭載する。

 Galaxy Noteを見た時の筆者の第一印象は、「大き過ぎる!」だった。そして、「こんな製品を欲しがる人はいないだろう」とも思った。

 だが、2012年6月に香港や台北を旅した際、これらのSamsung製品を持っている人に驚くほどたくさん遭遇した。その多くは若者だ。その中の1人、香港 銅鑼湾(コーズウェイベイ)地区の家電小売店のオーナーは、「当店の販売員は全員、Appleの『iPhone』からGalaxy Noteに買い替えた」と話していた。

 さらに2012年7月初旬、ノルウェーの電車内やロンドンのヒースロー空港でも、Galaxy NoteやGALAXY S IIIを使っている若者を見かけた。香港の地下鉄で出会った若者に「大画面についてどう思うか」と尋ねたところ、「使いやすい。ポケットに入れて持ち運ぶのにも問題はない」という答えが返ってきた。

 「Steve Jobs氏がユーザーの気持ちを把握できていなかった」ということがあり得るのだろうか。

 もし私がゲームやネットサーフィンをするのであれば、手に入る中で最も大きな画面のスマートフォンが欲しいと思うはずだ。ゲームやネットサーフィンをより快適に楽しめるなら、ジーンズのポケットが多少きつくなっても構わないだろう。

 正直に言うと、私はかつて「iPhoneがNokiaのフィーチャーフォンよりもかなり大きいとすれば、ポケットに入れて持ち運ぶには不便だろう」と思っていた。だが、実際はそんなことはなかった。

 Samsungはスマートフォン市場のシェアを大きく伸ばしているが、同市場を独占したわけではない。2012年2月に開催されたモバイル通信機器の国際展示会「Mobile World Congress(MWC) 2012」では、LG Electronicsが5インチのディスプレイを搭載したスマートフォンを発表した。ただし、Samsungほど大規模に同製品を出荷する用意はまだできていなかった。

 Samsungは独自性を見いだし、それを追求したことで成功を手にした。最近の新聞記事では、「GALAXY S IIIの人気にけん引され、2012年第2四半期のスマートフォン販売台数のランキングでは、SamsungがAppleを抑えて首位を獲得する見通しである。同四半期のスマートフォン販売台数は、Appleの3050万台に対し、Samsungは約5000万台と予想される」と伝えられていた。

 現時点では、Samsungのスマートフォンが最もクールなルック&フィールを備えている。AppleはSamsungの後を追う格好となっている。民生機器は今、大画面の時代だ。

 Appleは、近く発売がうわさされている「iPhone 5」で、現行機種の960×640ピクセル/3.8インチのディスプレイから、4インチ台に画面サイズを拡大するといわれている。Appleは、積極的に大画面化に対応しているわけではないにしろ、スマートフォンのトレンドは認識しているようだ。

photo 「iPhone」(左)と「Galaxy Note」(右)。この大きさの違い、皆さんはどう思われるだろうか。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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