MEMSセンサーをベースとし、ユーザーの接近情報や周囲の環境に関する情報を組み合わせることで、電動工具から乗り物まで、人間が使用するあらゆる機器をモーション(人間の動き)によって操作することが可能になる。この巨大な新興市場に登場した実例としては、米国の電動工具メーカーBlack&Deckerの電動ドライバが挙げられる。ジャイロスコープを搭載したこのドライバでは、手首を軽く動かすだけで、ねじを回す方向を自動的に切り替えることができる。
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米国のBodyMediaは、MEMSセンサーを搭載することで人間の活動状態を監視することが可能な腕時計形状のモニター機器を開発した。フィットネスの愛好家などをユーザーとして想定している。現在は、加速度センサー、皮膚伝導センサー、熱流束センサー、温度センサーを組み合わせているが、2013年には心電計(ECG:Electrocardiogram)センサーも追加する予定だ。ヘルス/フィットネス業界に向けたMEMSベースの使い捨てパッチや、センサーを内蔵したスマートピルなどの“使い捨てアプリケーション”は、医療分野で2013年に新たに立ち上がる大規模な市場の中で、MEMSチップを使用した製品の代表的な用途となるだろう。
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3D Systemsの「Cube 3D Printer」やMakerBot Industriesの「Replicator 2」は、家庭向けの3Dプリンタとして、2000米ドルを下回る価格を実現している。これにより、3Dプリンタ技術は今後、主流派の技術になっていくことが期待されている。2013年末までに、一般消費者向け3Dプリンタの市場では、数多くのメーカーによる競争が激化するはずだ。そして、インクジェットプリンタと同じように、1mm未満の精度でヘッドからプラスチックを吐出することが可能な製品が続々と登場するであろう。
仮想プロトタイプ(VP:Virtual Prototyping)ツールを利用すれば、SoC(System on Chip)の開発期間の短縮だけでなく、コストの削減も可能になる。例えば、Synopsysの「Virtualizer」を使えば、EDAモデルライブラリとブロック作成フローを使用してSoCのVPを開発することができる。出来上がったVPを同社のハードウェア/ソフトウェア解析ツールに受け渡して、その性能を検証することも可能だ。また、FPGAで駆動するエミュレータをVPから直接ロードすることができるので、SoCを実際に試作する前の段階で、ハードウェア試験を実施したり、サードパーティ企業が周辺機能を開発したりすることも可能である。
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