IPサブシステムは、サードパーティ製IPの市場において、サブシステムの実用化をサポートする存在になるだろう。米国の調査会社であるSemico Researchによると、2013年に世界で出荷されるSoCのうち25%以上が、IPサブシステムを搭載する見込みだという。2015年までには、その割合が65%以上になるとみられる。同社が提供してくれた図は、SoC System Managerの管理下に置くことにより、既存のSoCに搭載される機能のほとんどが、IPサブシステムを使用して構築可能であることを示している。
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CoventorのCTO(最高技術責任者)であるDavid Fried氏は、かつてIBMで22nmプロセス技術のチーフテクノロジストを務めていた人物である。当時、同氏はConventorとの協業により、「SEMulator3D」の改良に取り組んでいた。SEMulator3Dは、もともと3D MEMS構造用の仮想ファウンドリ環境として開発されたツールである。これを利用することで、半導体材料を実際に用いて3次元積層を実施する前の段階で、評価/試験を行うことができる。SEMulator3Dの仮想プロセスモデルを利用すれば、フィルムの厚さの違いによって歩留まりにどのような影響が及ぶのかを示す仮想計測データが不要になるという。
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3次元トランジスタ(FinFET)の分野では、低電圧駆動かつ低リーク電流のトランジスタを実現すべく、Intelだけでなく同社のライバルたちも、独自で、あるいはファウンドリのFinFETプロセス技術を活用してFinFETの開発に注力するだろう。
3次元構造とSOI(Silicon on Insulator)を組み合わせた技術を開発しているメーカーもある。例えば、IBMがそうだ。IBMは最近、Cadence Design Systemsと提携し、14nmプロセスを適用したFinFETをSOI上に作り込んだARMプロセッサの試作に取り組んでいる。一方、Intelも歩みを止めていない。14nmプロセスから8nmプロセスに移行する計画も発表している。
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総額1億7800万米ドルを投資する5カ年プロジェクト「Pacific Northwest Smart Grid Demonstration Project」が米国で本格的に始まる。このプロジェクトは、米国北西部に位置する5つの州(アイダホ州、モンタナ州、オレゴン州、ワシントン州、ワイオミング州)で、住民と協力しながらスマートグリッドの実証実験を行うというものだ。太陽光発電、風力発電、波力発電といった再生可能エネルギーと、スマートメーターの情報を利用して、スマートグリッドの運用をどのように最適化できるかを検証する。同プロジェクトの参加企業の1つで、技術面を主導するIBM Researchは、スマートグリッドというサイバーフィジカルシステム*1)において、サイバーセキュリティとエネルギー効率は両立するという点も、検証したいとしている。
*1)サイバーフィジカルシステム:センサーネットワークなど、実世界の組み込みネットワークと、サイバー空間のデータ処理を組み合わせること
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【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
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