採算が取れないテレビ事業の最新の一手として、テレビメーカーがこぞって投入しているのが4K2Kテレビだ。だが、米国の市場では4K2Kテレビの普及は難しいとの見方がある。それはどういった理由からなのか。
フルハイビジョンの4倍を超える画素数を持つ4K2Kテレビ。4K2Kテレビに関連する技術は、米国ネバダ州ラスベガスで開催中の「2013 International CES」(2013年1月8〜11日)で大きな話題を集めると思われるトピックの1つである。同技術は、詳細に分析され、熱心に討論されるだろう。
確かに、4K2Kテレビの映像は息を飲むほど素晴らしい。昨年の「2012 International CES」では、シャープやソニーなど、いくつかのメーカーのブースで4K2Kテレビの映像を体験することができた。
4K2Kの仕様は、2007年に初めて米国の映画テレビ技術者協会(SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers)が発表し、既に国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)にも承認されている。カメラやエンコーダシステムを含む、4K2Kの映像制作システムも設計・開発されている。
LG Electronicsは2012年10月、LEDバックライトを搭載した84型液晶テレビを米国で発売した。解像度は3840×2160画素で、価格も桁外れの1万9999米ドルだ。
また、Samsung Electronicsは、2013 International CESにおいて85型の4K2K液晶テレビを公開した。さらに、BroadcomやAmbarellaなどが、4K2Kテレビ用のエンコード/デコードICを展示している。
半導体業界が、4K2Kテレビを中心としたエコシステムを構築するペースを速めているのは確かだ。
それにもかかわらず、3つの理由から、4K2Kテレビが爆発的に普及する可能性は低いと思われる。
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