国内最大級の組み込み関連イベント「組込み総合技術展 Embedded Technology 2013」の開催概要が発表された。今回の開催テーマは、“Be Connected with ET”。ネットワークやクラウドサービスとつながることで大きな進化を遂げつつある組み込み技術をET 2013を通じて国内外にアピールする。
国内最大級の組み込みシステム技術関連イベント「組込み総合技術展/Embedded Technology 2013」(通称:ET 2013、主催:一般社団法人 組込みシステム技術協会)の開催概要説明会が2013年8月29日に都内で開催された。
今回のET 2013は、2013年11月20〜22日の3日間、横浜市のパシフィコ横浜で開催される。出展社数は前回を上回る400社(780小間)、会期3日間の来場者数は2万4000人と前回並みを予想している。
ET 2013実行委員会の委員長を務める山田敏行氏(横河ディジタルコンピュータ)は、「家電、携帯電話機、半導体などこれまで組み込み業界を支えた産業が大きな変革期を迎え、われわれ組み込み業界も待ったなしで、大きく変化しなければならない。これから変化して、どの新しい分野、新成長産業に取り組んでいくかが重要。ET 2013では、新成長産業への組み込み業界の取り組みを示したい」と開催の狙いを語る。
山田氏は、新成長産業として「スマートエネルギー」「オートモーティブ/交通システム」「モバイル/クラウド」「ロボティクス」「スマートヘルスケア」「スマートアグリ」の6分野を挙げる。
「これら6分野は、組み込み技術に、ネットワークなどと“つながる”技術が加わって実現される応用分野だ。M2MやIoT、クラウドサービスなど“つながる技術”がローコストで誰もが超高速インフラを通じて手に入るような新しい世界へと変わる。今回のET 2013はこの新しい世界を見せる。そういった意味を含めて、ET 2013のテーマは“Be Connected with ET”とした」と山田氏は話す。
展示会場では、イベントのメインテーマである“Be Connected with ET”をテーマにしたゾーン展示を実施し、M2M、IoTに関連した技術などに焦点を当てた展示を行う。テーマゾーン展示としては、もう1つ「設計開発サービスゾーン」を設ける。山田氏は、「これまで組み込みはクローズされた小さな世界だったが、ネットワーク、クラウドにつながることで、システム規模が大きくなる。受託開発も、顧客のアプリを考えた“サービス”を提供しなければならない。“モノ”から“サービス”の提供に組み込みの受託開発が変わってきていることを紹介するため設計開発“サービス”ゾーンを設けた」と説明した。
展示会と併催されるカンファレンスも充実している。今回実施するセッション数は130セッションを超える。
目玉となる基調講演としては、トヨタ自動車 制御システム基盤開発部 部長の畔柳滋氏が「進化し続ける車載電子制御システム」と題して講演する他、「生体センシング技術が切り開く次世代スマートヘルスケア」をテーマにオムロンヘルスケア 学術技術部の志賀利一氏が、「次世代スマートハウス向けエネルギーシステムへのチャレンジ」をテーマに村田製作所 執行役員兼技術・事業開発本部デバイス開発センター長の岡田剛和氏がそれぞれ登壇する。
招待講演は、マイクロソフト OEM エンベデッド本部ジェネラルマネージャーのロドニー・クラーク氏が「組み込みデバイスの可能性が広がる〜真のインテリジェントシステム構築方法」をテーマに講演する予定。特別講演は、慶応義塾大学環境情報学部准教授の田中浩也氏、経済産業省情報処理振興課 課長の江口純一氏、東京大学大学院情報学環学際情報学府 教授の坂村健氏が講演する。
技術系セミナーは、前回に引き続き無料セミナーとして実施する。ソフトウェア品質の定量評価やLinuxプラットフォーム開発、機能安全などを最新の技術動向をテーマにしたテクニカルセッションを用意している。
その他、ET 2013に出展、展示される製品や技術、ソリューションの中から国内産業活性化への貢献などが見込める優れたものを表彰する「ETアワード」(11月21日に表彰式を実施)や「ET ロボコンチャンピオンシップ大会」(11月20日に競技会を実施)などの企画、イベントも行われる予定だ。
なお、開催概要説明会では、例年、大阪で開催している組み込み技術展「組込み総合技術展 関西/Embedded Technology WEST」(ET WEST)の2014年開催分の概要も発表した。2014年開催からは、会場を従来の大阪・南港のインテックス大阪から、大阪・梅田のグランフロント大阪コングレコンベンションセンターに移し、2014年7月29〜30日の2日間の会期で実施する。主催者は「会場を大阪中心部に移動することで来場者数アップを見込んでいる」としている。
ことしも、アイティメディアでは、MONOist、EE Times Japan、EDN Japanによる「Embedded Technology 2013特集」を開設し、開幕前の事前情報から当日の会場リポートなどET 2013の最新情報をお届けする予定だ。
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