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製造ラインにおける無線テストをより効率的に、より安くスマホとともに急成長するライトポイント(1/2 ページ)

LitePoint(ライトポイント)は、製造ラインにおいてワイヤレス機器の無線テストを並列で効率よく行うことができるワンボックスのテスターを供給している。新たにワイヤレス機器を最大8台まで接続してテストできる「IQxel-M8」や、NFC(Near Field Communication)向けの専用テスター「IQnfc」を市場に投入した。

» 2014年04月30日 14時45分 公開
[馬本隆綱,EE Times Japan]

 スマートフォンなどワイヤレス機器の製造ライン向け無線テスターを手掛ける米国のLitePoint(ライトポイント)は、ワイヤレス機器を最大8台まで接続して、物理層のテストを並列で効率よく行うことができるテスター「IQxel-M8」を新たにラインアップし、受注を始めた。また、近距離無線通信規格のNFC(Near Field Communication)に対応する専用テスター「IQnfc」も追加した。さらに、数年後の実現に向けて、測定ケーブルなしで測定ができる「Over The Air(OTA)」技術も開発中で、測定効率のさらなる向上を目指す。

 ライトポイントは、ワイヤレス機器の製造ラインにおける無線テスト要求に対して、検査効率の向上とテストコストの削減を可能とするワンボックスのテスターを提供している。創業は2000年5月で、2003年に最初の製品を発売した。現在は、同社がコネクティビティ分野と呼ぶ「IEEE802.11」や「Bluetooth」、「ZigBee」、「DECT」、「GPS」など複数の通信規格に対応したテスターや、3G/4Gといったセルラー規格に特化したテスターを供給する。全世界で300以上の企業が、これまでに合計で4万台以上のテスターを導入しているという。

シェア「Wi-Fiで70%超、セルラーでも世界2位」

ライトポイント・ジャパンの代表取締役を務める佐藤隆氏

 ライトポイント・ジャパンの代表取締役を務める佐藤隆氏は、「Wi-Fi対応製品の製造ライン向け無線テスター市場で、当社の製品シェアは70%を超えている。セルラーの製造ライン向け無線テスター市場でも2013年は出荷台数ベースの業界シェアが2位となった」と話す。2013年の売上高は全世界で2億5200万米ドルに達しており、年平均成長率では数十%程度の高い伸びを続けている。

 同社の強みは、ワイヤレス通信に特化し、最小限のハードウェア構成で最大の測定スループットを得ることができる最先端のテスト手法を提供していることである。1台のテスターで複数の被測定物(DUT)を並列に接続して検査することが可能だ。その上、複数の通信規格の同時テストにも対応することができる。

 主要な無線ICベンダーと開発協力を行っている点も同社の強みだ。新しい無線ICチップの供給に合わせて、テストに必要なドライバソフトウェアなどのライブラリを量産立ち上げまでに用意して、迅速に提供できる体制を整えている。

 佐藤氏は、「製造ラインにおける無線テストに必要な環境をトータルで提供することができる。このため、当社のテスターユーザーは、一般的に数か月程度かかるといわれている量産用測定ソフトウェアの開発に要する期間や労力を省くことが可能だ。最新のICチップが実装された製品の製造ラインで、そのテスト工程をいち早く立ち上げて、速やかに量産を開始することができる」と話す。同社が他社の追従を許さず、高いシェアを維持し続けている理由の1つだ。さらに、「無線ICベンダーが、無線モジュールや無線機器メーカーに対して、当社のテスターを検査工程に導入するよう推奨してくれる」(佐藤氏)ことでも、同製品の影響力がいかに大きいかが分かる。

ライトポイントはICベンダーやモジュールメーカー、無線機器メーカーと協力し、製造ラインにおける最適なテスト環境を提供する(クリックで拡大)出典:ライトポイント
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