Appleがウェアラブル機器市場に参入する気配が濃厚だ。早ければ秋にもスマートウオッチを発表するという見方もある。Appleは同市場では後発となるが、これまでの実績から市場を再定義するような製品を投入してくる可能性もある。
Appleは、早ければ2014年10月にスマートウオッチを発表し、ウェアラブル市場に参入する予定だという。スマートウオッチの他にも、約10個のセンサーを搭載し、ユーザーの動作や生体情報などを追跡できるウェアラブル端末を、複数機種投入するとみられる。Appleは既に、製造を委託するメーカーを確保していて、数カ月以内には製造を開始できる見込みだとしている。
ウェアラブル市場は現在、大きな注目を集めているが、既に市場に出回っている製品の中で、大きな成功を収めたといえるデバイスはまだ1つもない。しかし、Appleのウェアラブル機器は、このような状況を変えることになるだろう。The Wall Street Journalが匿名の情報筋による話として伝えたところによると、「一般的に、既存のスマートウオッチの機能は、スマートフォンとそれほど大きく変わらないと批判されているが、Appleの腕時計型ウェアラブル機器は、このような批判にも対処することができる」という。
「Pebble」やSamsung Electronicsの「Gear 2」など、既存のスマートウオッチの大半は、すぐ近くに存在するスマートフォンのための通知センターとして機能する。装着者に対して、メッセージや電話、電子メールなどの受信を知らせる他、スケジュール表の予定などを通知する。また、多くのスマートウオッチは、メディアプレーヤやフィットネストラッカーなど、スマートフォンをベースとした各種アプリと連携して機能する。しかし、スマートフォンが近くになければ、ほとんど機能しない。The Wall Street Journalの情報筋によると、「Appleがこうした課題をどのように解決するつもりなのか、詳細は不明だが、同社が達成を目指す目標の1つとなっている」という。
Appleは2014年6月初めに、次期iOSとなる「iOS 8」について発表しているが、その時に、ウェアラブル機器に関する情報も明かしていた。同社は、このiOS 8に関する詳細の一部として、「Health」と呼ぶアプリを発表している(関連記事:「iOS 8」はヘルスケア管理アプリを標準搭載、データの一元管理が簡単に)。Healthは、サードパーティー企業のフィットネスアプリやデバイスを使って収集されたデータを取捨選択し、適切な形にして表示することができるという。Appleがいずれ、iOS 8を搭載した独自デバイスを開発し、Healthアプリを使ってフィットネスデータを収集/照合することになるのは、当然の流れだといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.