リニアテクノロジーは「TECHNO-FRONTIER 2014」(テクノフロンティア/2014年7月23〜25日、東京ビッグサイト)で、AC電源の代替電源として注目されているPoE(Power over Ethernet)のデモを行った。同社がデモをしたのはLTPoE++で、これは10ギガビット/秒(Gbps)のデータ通信と最大90Wの電力を給電できるものである。
リニアテクノロジーは「TECHNO-FRONTIER 2014」(テクノフロンティア/2014年7月23〜25日、東京ビッグサイト)で、PoE(Power over Ethernet)のデモを行った。PoEはイーサネット用ケーブルを用いてデータと一緒に電力も供給する技術で、AC電源の代替電源として普及が進んでいる。PoEでは高出力へのニーズがあり、それに応えて同社は「LTPoE++」を開発した。これにより、既存のPoEの規格であるPoE(IEEE 802.3af)とPoE+(IEEE 802.3at)では13W、25Wだった出力を、最大90Wまで引き上げることが可能になった。データ通信は10ギガビット/秒(Gbps)を実現している。LTPoE++はIEEE 802.3af/IEEE 802.3atと互換性があり、現在、標準規格化が進められている。
リニアテクノロジーのデモでは、PoE向けPSE(給電装置)コントローラ「LTC4266」とPD(受電装置)コントローラ「LT4275」を用いた。これらはPoE/PoE+/LTPoE++のいずれにも対応している。過電圧/過電流が発生した場合、PSEコントローラとPDコントローラの両方でシャットダウンするので、安全性を確保できる。
リニアテクノロジーは、「これまでPoEの用途はIPカメラやセンサーネットワークなどに限られていたが、LTPoE++が登場したことで、小型サーバなどを駆動できるようになる。ただ、LTPoE++は、既存のPoEに比べるとまだ知られていない。日本でLTPoE++の認知度がもっと上がれば、さまざまなアプリケーションが出てくるのではないか」と述べる。LTPoE++は、欧州や中国、日本の通信装置メーカーでの採用が増えている他、新興国では、不安定な商用電源の代替電源としてLTPoE++を採用するケースもあるという。
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