同社が強みというリファレンスデザインについては、電源回路設計などを中心に1500種類を超える事例が用意されている。特に産業用サブシステム向けは860種類と豊富だ。アプリケーションノートについても5000種類を超えている。さらに、サポート体制については、自社のFAEによるサポートに加え、E2E(エンジニアツーエンジニア)フォーラムと呼ぶオンラインコミュニティーも活用することができる。日本では、国内11か所の拠点にFAEなどのサポートチームが常駐して、顧客対応を行っているという。
産業システム向けにTIが供給している製品は、アナログICや組み込み製品を中心に、10万品種を超えている。また、毎年500品種以上の新製品が追加されているという。具体的な製品としては電源IC、A-D/D-Aコンバータ、マイクロコントローラ、温度センサーICなどである。これらアナログICや組み込み製品は、TIの全売上高のうち82%を占める主力事業である。このうち「産業システム向けの比率は24%」だという。
説明会では、産業システムに向けた主要アナログIC製品の概要を紹介した。センサー製品として、非接触型赤外線温度センサー「TMP007」や周辺光センサー「OPT3001」、温湿度センサー「HDC1000」、静電容量センサー「FDC1004」を挙げた。データコンバータ製品では、小型化を実現した12ビットSAR A-Dコンバータ「ADS7042」を始め、「ADS8354」や「ADC3kファミリ」などを新たに追加した。また、電源管理ICでは非絶縁型AC-DCコンバータ向け高電圧スイッチャ製品「UCC28880」や、ウェアラブル機器向けの充電IC「bq25100」とDC-DCコンバータモジュール「TPS82740」などを新たに用意した。
組み込み製品としては、産業用マイクロコントローラ「MSP430i20xx」や、産業用Bluetooth Smartワイヤレスマイコン「CC2540T」、産業用イーサネットプロトコルを内蔵のハードウェアアクセラレータでサポートする産業用プロセッサ「AM5K2Ex」と「AM437x」などを用意している。
MSP430i20xxは、これまで20年以上も先行してきた低消費電力マイコンのシリーズである。4個の24ビットΣΔ型A-Dコンバータなど、高機能なアナログ回路ブロックを統合している。CC2540Tは、動作温度範囲を−40〜125℃に拡張した製品。マイクロコントローラ機能、RF機能およびフラッシュメモリブロックを1チップに集積している。産業用プロセッサは、「EtherCAT」や「PROFINET」、「SERCOS III」、「EtherNET/IP」など主要な産業用イーサネットプロトコルに対応した製品である。
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