Makers(メイカーズ)を支援するプロジェクト「がじぇっとるねさす(通称:がじぇるね)」を積極的に進めるルネサス エレクトロニクス。Makersが同社の手軽な電子工作ボードを使って開発した作品を発表するイベント「ルネサスナイト6」では、次世代の多機能ペンライト、メッセージを送れるLED懐中電灯、子どもでも“なんちゃってドライビング”が楽しめるシステムなど、オリジナリティにあふれる作品が続々登場した。
「電子工作をもっと身近なものに」――。ルネサス エレクトロニクスは、このような目的の下、2012年に「がじぇっとるねさす(通称:がじぇるね)」というプロジェクトを立ち上げた。主な狙いは、
ことだ。
GRリファレンスボードとしては、96MHzの動作周波数を持つマイコン「RX63N」を搭載した「GR-SAKURA」と、より低消費電力かつ小型の「GR-KURUMI」(マイコンは「RL78/G13」)、ARMのモノのインターネット(IoT)向けプラットフォーム「mbed」に対応した「GR-PEACH」(マイコンは「RZ/A1」)を提供している。がじぇっとるねさすを立ち上げた2012年以降、作品を発表するイベント「ルネサスナイト」を過去5回開催していて、発表された作品数は100以上に上る。
さらに2014年10月には、「COUNTDOWN」というクラウドファンディングを提供するアレックスと共同で、「がじぇっとるねさす チャレンジプログラム」を開始。趣味としてのモノづくりにとどまらず、Makersがアイデアをビジネス(商品化)につなげやすい仕組み作りに取り組んでいる。同プログラムではコンテストを行い、上位入賞者にはCOUNTDOWNに出品できるステージに進む「優先権」が贈られる。つまり、商品化に大きく近づくということだ。
ルネサスは2014年12月13日、GRリファレンスボードを使って開発した作品を発表する「ルネサスナイト6」(6回目のルネサスナイト)を開催した。ここでは、GRリファレンスボードを使用した作品の発表に加えてチャレンジプログラムのコンテストも行われ、15の作品が発表された。発表者は、4分間という制限の中で自分の作品を最大限にアピール。来場者が、アイデア性や実用性、“欲しい度”を基に採点する。4分が過ぎると無情にもチーンとベルが鳴り、プレゼンは問答無用で打ち切られた。
「電子工作がしたい!」という少年時代の心を持ち続けたメンバーで構成されるサークル「ヨシノローテック」。同サークルの郡司高久氏は、LED懐中電灯に搭載する「乾電池型アダプタ」を発表した。懐中電灯に入っている乾電池1本と置き換えるだけで、モールス信号/可視光信号など光を使ったメッセージを送れるというもの。乾電池型アダプタにはGR-KURUMIが搭載されていて、LEDの点灯パターンをマイコンに書き込んでいる。世界共通の規格である乾電池の形にしているのがポイントだ。世界中のどの懐中電灯にも搭載できる。
製品化の際は、スマートフォンの専用アプリと連動させ、NFCかBluetooth Low Energyを介してメッセージを簡単に書き換えられる機能を搭載したいという。
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