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光触媒を活用するパナソニックの次世代浄水技術新技術(2/3 ページ)

» 2014年12月17日 07時30分 公開
[陰山遼将EE Times Japan]

次世代の水浄化技術として注目される光触媒

 今回パナソニックが展示した光触媒を利用する水浄化技術は、排水処理の面で課題があるROろ過に代わる手法として注目されているという。その仕組みは、水中の光触媒に紫外線を当てて発生させる活性酵素を利用して、水中に含まれたヒ素や6価クロムなどの有害金属や、農薬などの難分解性有機物を無毒化するというものだ。「ROろ過ほどさまざまなの物質をろ過できるわけではないが、新興国の水に含まれる有害物質は99.9%無毒化できる」(猪野氏)。

光触媒による浄化の仕組み(左)と、光触媒によって無毒化できる成分の一覧(右)(クリックで拡大)出典:パナソニック

 猪野氏によれば、従来、水浄化装置に光触媒を利用する場合、ガラス繊維などの表面に二酸化チタンの薄膜を形成させた固定型の光触媒が使われることが多かったという。しかし、こうした固定型光触媒の場合、浄化効率の低さが実用化への課題となっていた。そこでパナソニックは、表面積が広く水中における分散性が高い、ミクロンオーダーの粒子型光触媒を開発した。この光触媒を利用すれば、固定型光触媒と比較して最大100倍の速度で汚染物質を無毒化できるという。

パナソニックが開発した粒子型の光触媒(左)と、固定型の光触媒(右)(クリックで拡大)

 パナソニックが開発した光触媒は、ゼオライト粒子の表面に光触媒となる二酸化チタンの微粉末を結合させている。結合には化学物質などを使用せず、特定の粒子間で作用する静電引力を利用している。このため、ゼオライト粒子と結合された微粉末の二酸化チタン光触媒は化学物質による影響を受けることなく、微粉末の状態と同等の光触媒活性を維持できるという。また、この光触媒は沈殿性が高いため浄化装置から取り出しやすく、再利用が可能という特徴もある。

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