トレックス・セミコンダクターは、ウェアラブルEXPO(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)に出展し、複数のウェアラブル機器向けICの新製品を公開した。
トレックス・セミコンダクターは、ウェアラブル機器向けの製品ラインアップの拡充を急いでいる。2015年1月14〜16日開催の「第1回 ウェアラブルEXPO/装着型デバイス技術展」(東京ビッグサイト)の出展に合わせて、複数のウェアラブル機器向けICの新製品を発表した。
アナログIC専業メーカーである同社は近年、スマートフォンなどモバイル機器分野で培った小型/高効率を特徴とする電源IC技術を、自動車や産業機器といった同社にとって新しい用途分野に展開させることに注力している。その一環として、今後、大きな市場が形成されると期待されるスマートウオッチやスマートグラスといったウェアラブル機器市場に着目。これまでモバイル機器向けに展開してきた製品の横展開などで、数十社を超えるメーカーのウェアラブル機器に製品が採用される。
現状は、黎明(れいめい)期にあるウェアラブル市場で存在感を示しているトレックスは、ウェアラブル機器向け電源IC市場でのリードをさらに確固たるものにすべく、「2015年は、市場に投入されるウェアラブル機器のほぼ半分で当社の製品を使ってもらえるよう努力したい」(社長 藤阪知之氏)を掲げ、さらに小型/高効率を追求したウェアラブル機器に主眼を置いた製品開発を急いでいる。
ウェアラブルEXPOで発表した新製品も、ウェアラブル機器特化型の製品群で、独自性を強く打ち出した。
その1つ、同期整流型降圧DC-DCコンバータ「XC9265シリーズ」(最大出力電流200mA品と同50mA品)の最大の特徴は、スマートウオッチの動作時間の大半を占めるであろう待機/軽負荷処理状態の消費電流を抑え、高効率を追求した点にある。スイッチング制御方式を軽負荷時の効率性に優れるPFM(パルス周波数変調)方式の1つに絞って搭載するなどし、消費電流を0.5μAに抑えた。「最も消費電力が低かったPWM(パルス幅変調方式)併用型の従来製品でも15〜16μAあり、画期的な超低消費電流を実現した」(説明員)。
一般的なスマートウオッチの使用方法での電池駆動時間は、従来のPWM/PFM併用型DC-DCコンバータと比べ、3倍近く伸びるとし、比較的低負荷時の効率に優れるLDOと比べても1.8倍の駆動時間を実現できるという。サイズは、USP-6ELパッケージ品で1.8×2.0×0.4mmとなっている。
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