車載用パワー半導体について、まもなく300mmの薄型ウエハーを用いて製造を開始する計画も明らかにした。生産性の向上を図るのが狙いだ。300mmウエハーファブは、「オーストリアのフィラッハにパイロットラインを立ち上げ中で、ドイツのドレスデンに量産ラインを計画中」(Carlos氏)と話す。生産する品目やその開始時期など、詳細については明らかにしなかった。既に、スーパージャンクション構造を用いたパワーMOSFET(CoolMOS)については、300mmウエハーを用いて量産中だという。
会見では、CO2排出削減などに関連した電源システムの48V化についても触れた。Carlos氏は、「電源システムの48V化で車両の製造コストは上昇するものの、燃費の向上やCO2排出削減に対して消費者の関心が高まっていることが、48V化を後押ししている。2016年ごろから一部の自動車メーカーが48V対応車両の生産を開始し、2017年には複数の自動車メーカーから登場してくるだろう。需要が本格化するのは2020〜2021年以降になる」と、今後の見通しを述べた。こうした中で同社は、48V/12VのDC-DCコンバータやモーター駆動用パワー半導体の需要増に期待する。
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