数字で測定結果を表示するDMMでは、リップル、過渡応答といった不安定な事象を正確に捉えることに不向きであり、波形表示のできるオシロスコープやデータロガーと組み合わせたテストが必要だった。
これに対しDMM7510は、DMMとして初めて波形表示用デジタイザを搭載し、単独で電流/電圧の波形、過渡応答の観測、解析が可能になった。デジタイザは、サンプリング速度1Mサンプリング/秒、分解能18ビットだ。「これまでも、トレンドプロット機能としてPCを介した波形表示が可能だったが、簡易的な波形表示であり、本格的な波形表示が行えるDMMは初めて。速度はオシロスコープに譲るが、分解能はオシロスコープを上回り、マルチメーターとしてのテストニーズに応じた波形が表示できる。マルチメーターとオシロスコープの中間を埋める計測器」という。タッチパネル操作で、エッジ、パルス、ウィンドウなどのトリガも簡単に設定できる。
タッチパネルディスプレイのサイズは5型で、タッチパネルの操作を代替するロータリーノブも搭載する。さらにフロントパネルに、USBメモリなどへのデータ書き出しやフォームウェア更新用のUSB2.0ポートを設けるなど、PCレスでさまざまなテストが行える工夫を盛り込んだ。「メニューも基本的に2階層構造になっており、少ない操作数でテストが行える。ハイエンドモデルながら、計測器を使い慣れていない若いエンジニアや非電気系のエンジニアでも、直感的に使える」としている。
DMM7510の価格は47万8000円(税別)で「従来の7.5桁モデルよりも10万円以上低い設定になっている」という。
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