市場規模だけではなく、半導体メーカーの成長という意味でも、中国の存在感が強くなっている。中国はファウンドリ事業に数十億米ドルもの投資を行うことを計画しているが、それに見合うだけの成果を得られるのかは不明だと、専門家は分析する。
2014年の半導体サプライヤ成長率ランキングでは、トップ5に中国企業が4社ランクインした。首位はHuaweiの半導体子会社であるHiSilicon Technologyで、前年比53%増の成長を遂げた。第2位はSpreadtrum Communicationsで、成長率は33%だった。
これとは対照的に、最も大きく順位を落としたのがIBMで、2014年の半導体売上高は前年比26%減となる15億米ドルだった。同社は現在、半導体事業をGLOBALFOUNDRIESに譲渡する準備を進めている(関連記事:IBMがGFに半導体工場を譲渡、GFに15億米ドルを支払う)。
中国は、2014年のGDP(国内総生産)が7.1%に鈍化しているにもかかわらず、半導体シェアで世界第3位に位置している。中国で製造されたチップの大半はシステムに実装されて国外に出荷される。一方、かつてはエレクトロニクス市場をけん引してきた日本の半導体シェアは、減少の一途をたどっている。
中国の半導体市場では近年、半導体輸入額と製造額の差が広がっている。これは、中国の行政計画の弱点でもある。2015年には中国の半導体消費額は、1000億米ドルを上回ると予想される。IC Insightsでプレジデントを務めるBill McClean氏によると、スマートフォンやタブレット端末向けSoCの約50%、DRAMの約40%が中国で消費される見通しだという。
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