長期的に見るとUSB Type-Cは、あらゆるデバイスに最適だといえる。理論上は、全てのデバイスに対して1つの同じ充電器を使えるので、電子機器廃棄物の削減につながっていくだろう。さらに、メーカーごとに種類が異なるデータケーブルも、使わなくて済むようになる(iPhoneとiPadでUSB Type-Cが採用されるのが実に待ち遠しい)。
一方で、サプライチェーンではさまざまな問題が生じるとみられる。現在開発中の新型デバイスでは、その多くが旧式のコネクタを使用する設計となっている他、周辺機器でも別のタイプのUSBを採用している場合が多い。USB Type-Cは、最新USB規格「USB 3.1」との互換性を備えているため、周辺機器メーカーにとっては、接続ケーブルの一方をUSB Type-Cに対応させることはそれほど難しくはない。しかしそのためには、製造コストや物流コストが増加する可能性がある。
最終的には、新型ノートPCのユーザーの多くが、USB Type-Cハブを購入することになるだろう。例えば、Appleのハブは、販売価格が79米ドルで、USB Type-C(電力供給用)とHDMI、USB Type-Aのコネクタを搭載する。またApple Storeでは、シンプルな変換アダプタ「Type-C to Type-A」が19米ドルで販売されている。Appleの標準的な販売価格の範囲内であることから、掘り出し物だといえるのではないだろうか。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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