続いてLowe氏は、話題をIoT(Internet of Things:モノのインターネット)に転じた。IoTの代表的な例としてフィットネスやスマートメーター、工場などのスライドを見せながら、IoTに不可欠なデバイスであるセンサーについて言及した。
センサーの単価は2004年には1.30米ドルだったのが、2014年には半分以下の0.60米ドルに下がっているという。価格の低下が、センサーの普及に貢献していることが分かる。
インターネットに接続する機器や端末などの数は、2014年には50億個に達した。それが2020年には、約4倍の200億個に急増するとの予測を挙げていた。
センサーの単価の推移を示すスライド。2004年に1.30ドルだったのが、2006年に1.11米ドル、2008年に0.95米ドル、2010年に0.82米ドル、2012年に0.70米ドル、2014年に0.60米ドルと常に低下してきた。2015年6月23日に撮影(クリックで拡大)そしてIoTを実現する、Freescaleとパートナー企業の最新製品を披露した。初めにFreescaleでVice President of System Solutionsを務めるNancy Fares氏が登壇し、Freescaleのマルチチップパッケージ製品「SCM-i.MX6D」を紹介した。SCM-i.MX6Dは、「i.MX6Dual」プロセッサ(ARM Cortex-A9のデュアルコアプロセッサ)、パワーマネジメントIC「PMIC PF0100」、16MバイトのシリアルNORフラッシュメモリ、109個の受動部品を1個のパッケージに収容している。またPoP(Package on Package)によって1Gバイトあるいは2GバイトのLPDDR2 DRAMを搭載可能である。
続いてFreescaleのパートナー企業であるInHand ElectronicsでDirector of System EngineeringをつとめるRodney Feldman氏が登壇し、「SCM-i.MX6D」の応用製品である手のひらサイズのボードコンピュータ「Fury-MX6」を紹介した。「Fury-MX6」はWi-FiとBluetooth Low Energyに準拠した無線通信機能と、USB2.0 OTGとギガビットイーサネットに準拠した有線通信機能を備えており、さまざまなシステムの開発に利用できる。
Feldman氏は背広の胸ポケットに装着したカメラで撮影した画像データを、手に持ったボードコンピュータ「Fury-MX6」から液晶モニターに無線で伝送し、液晶モニターで画像を表示してみせていた。

左=左からLowe氏、Feldman氏、Fares氏。2015年6月23日に撮影。右=手のひらサイズのボードコンピュータ「Fury-MX6」の外観写真。大きさは約7cm×約5cmである(クリックで拡大) 出典:InHand Electronics(次回に続く)
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