中国半導体メーカーのTsinghua UniGroupが、Micron Technologyに、230億米ドル(約2兆8290億円)で買収を持ちかけているという。米Wall Street Journalが報じた。
中国政府系の未公開株式(プライベート・エクイティ)投資会社であるTsinghua UniGroupが、米Micron Technologyに230億米ドル(約2兆8290億円)で買収を持ちかけているという。実現すれば、中国の半導体メーカーとしては最大級の買収劇となる。ただし、同時に政治的な問題も絡むことになりそうだ。
米Wall Street Journalは2015年7月14日(現地時間)、米国証券取引所が同日に閉会した後に、この買収提案を報じた。2014年に168億米ドルの売上高を記録したMicronは、米国ではIntelに次ぐ第2位の半導体メーカーである。
中国にとってMicronに買収案を持ちかけるというのは理解できる。ただし、米国では政治的な懸念が起こる可能性もある。
中国は、半導体業界において1500億米ドルにも上る貿易赤字を埋めようと必死だ。中国は、世界で製造されるICの約3分の1を消費している。一方で、中国が製造しているICは、世界のIC生産量の12%のみだ。
中国政府は2014年、半導体業界に200億米ドルを投入すると発表している。
Tsinghua UniGroupは、こうした一連の動きの最前線にいる企業だ。同社は、モバイル機器向けSoCを手掛ける中国企業のSpreadtrum CommunicationsとRDA Microelectronicsを管理している。
市場調査会社であるGartnerの中国市場アナリストであるSamuel Wang氏によれば、Tsinghua UniGroupは、中国政府と地方自治体からの投資を狙っているという。「Tsinghua UniGroupは、まずは買収案を持ちかけ、資金はその後で調達するつもりではないか」(Wang氏)。
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