そこで、「市場経済」を使って考えてみたいと思います。
ここでは「市場」をマスメディアとします。マスメディアは、テレビ、パソコンなど、視覚を通じて美観を生じさせることが可能です。また、この「市場」の「商品」は、当然に、女優、タレント、アイドルとなります。
では、この「市場」と「商品」を使って、ダイエットに「美しさの価値」が存在するか否かを検証してみたいと思います。
私たちは、これらの「商品」を日々選別しています。
もちろん、歌唱力、演技力、そしてメディアでの発言や振舞いなどを、総合的に評価して、その「商品」の購入(好感度などを含む)を決定していますが、それでも、商品たちの外観(顔、体型)が、商品の価値の「ど真ん中」にあることを否定できる人はいないでしょう。
例えば、私が、AKBというアイドルグループの構成メンバーと、全く同じ、歌唱力、演技力、振舞を完全にコピーできるからといって、この私の顔と、この私のスタイルで、私がアイドルになれるか ―― と問われれば、検討する意義が皆無のアホらしいテーゼです。
ですので、その「商品」たちにとって、「(2)美しいことによって対価が得られること」については自明である、としてしまっても良いと思います。
次の観点は、その「商品」たちが、「(1)美しい状態になろうという積極的な意思」があるかどうか、です。
その「商品」たちが、できるだけ長い期間、市場に残りたいと願っているのであれば、自分という商品の品質向上に努めているはずです。
この品質向上に対して、最も簡単で、かつ最も効果の大きいアプローチは、「ダイエット」と考えられます。なぜなら、演技力、歌唱力の向上と比べて、ダイエットは、基本的には「食べない」を続けるだけで達成できる、極めてラクチンな品質管理戦略であるからです。
では、ここから、女優、俳優、タレント、およびアイドルの商品価値(の1つ)である「体型」を調べて、彼女達たちの「(1)美しい状態になろうという積極的な意思」の有無を検証したいと思います。
この検証の指標として、今回は、BMIという値を使うことにします。
BMIとは、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値です。この計算方法は、本来、生活習慣病などの病気の発生の可能性を経験的かつ統計的(×数理学的)に求めるものであって、「美しい体型」を計測するものではありません。
しかし、だからこそ、「『ダイエット』が創り出す狂気」を明らかにすることができるのです(後ほど分かります)。
では、まず、ネットで公開されている女性芸能人、女性タレントの身長と体重*)から、BMIをプロットしてみましょう。
*)参考。なお、本データの信頼性についてはスコープ外とします(これ以外の公開データについても同じ)。
「やせ過ぎ」として、病気になるリスクがあると認定されるBMI=17.5以下の人は実に84人、49.4%の人が該当しています。女性が「ほっそりしていてキレイ」と言われるBMI=20には、9割(91.2%)が属しています。
さて、彼女たちの体型が、いかに異常なものであるかをはっきりさせるために一般女性のデータと併せて表示してみます*)。
*)このデータは少々古いのですが、20歳台の女性のBMI値はここ20年間、±0.2程度で納まっており、参照データとして採用できると判断しました。
はっきりしていることは、私たち一般人が、女優や女性タレント達のバトルフィールドに入り込むチャンスは、皆無であるということです。
女優や女性タレントたちが、食事ストレスは言うに及ばず、健康リスクを払ってまで、自分という商品の品質向上に努めていることは明らかです(そのように見せていないかもしれませんが)。「0日ダイエットブログ」で簡単に断念してしまう私たちと、彼女達では「賭けているもの(命)」が違うのです。
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