測定の結果、厚さ70nmのビスマス薄膜でエネルギーギャップが開き半導体になっていることを実証。Sandomirskiiの予測よりも厚い膜厚で半金属半導体転移が起こることが分かった。
逆に、膜厚を10nm以下に薄化すると、予想に反して、エネルギーギャップがない半金属であることも判明。「厚さ10nm以下では表面・界面の効果が重要であり、これを考慮した新たな理論が必要なことを示している」(研究グループ)という。
今回の成果について、研究グループは「量子サイズ効果を利用してビスマスの電気的性質を制御できることを明確に示したもの。今後はビスマス内部の高移動度のディラック電子を利用した高速デバイスの開発、さらにビスマスの表面や界面に存在する電子を利用した極薄ナノデバイス開発という応用研究へと進展することが期待できる」としている。
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