アジア最大級のIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」が2015年10月7〜10日に開催される。今回の開催テーマは「NEXT−夢を力に、未来への挑戦」である。「CPS/IoTによって、社会や生活がどのように変化していくのかをアピールしたい」というCEATEC主催者に、今回の狙いや見どころを聞いた。
2015年10月7〜10日の会期で、アジア最大級のIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC JAPAN 2015」(シーテック ジャパン/以下、CEATEC 2015)が、千葉市・幕張メッセで開催される。今回の開催テーマは、「NEXT−夢を力に、未来への挑戦」だ。新たな“NEXT”を提案することで、来場者が「新しい社会」を感じ取れる場を創り出していくことを目指している。
開催を間近に控えたCEATEC 2015の狙いや見どころなどについて、CEATEC JAPAN運営事務局の統括マネージャを務める菊嶋隆史氏にインタビューした。
EE Times Japan(以下、EETJ) 開催テーマとして、「NEXT−夢を力に、未来への挑戦」を掲げられました。
菊嶋氏 CEATEC JAPANでは、IT、エレクトロニクスの先端技術に関する情報発信や製品、サービス、コンテンツなどを提案してきた。最新のテクノロジーとともに、次の社会システムや生活スタイルを見据えたIT、エレクトロニクス産業の方向性を体感してもらえるよう、前回(2014年開催)より“NEXT“をテーマとし、今回で2回目となる。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も決まり、日本が海外から注目されている時期でもある。IT、エレクトロニクス業界に対しても、継続的な技術革新や産業の発展が期待されている。「NEXT−夢を力に、未来への挑戦」には、2020年に向けた業界のメッセージが含まれている。
EETJ イベント会場の特別企画展示として、「NEXTイノベーションエリア」を設け、サイバーフィジカルシステム(CPS)/IoT(モノのインターネット)を体現する特別企画「NEXTストリート」を展開されます。
菊嶋氏 NEXTストリートは、強くアピールしたいエリアの1つだ。主催者側でコンセプトを提示し、それに沿って出展者がCPS/IoTを活用した技術やサービスの紹介を行う。これからの社会システムや生活スタイルがどのように変化していくかを体感できるコーナーとなる。
これまでのイベント展示はどちらかといえば、ハードウェアなど「モノ」指向が強かった。これに対してNEXTストリートでは、ユーザー側に立った利用シーンを想定し、そのサービス内容などを具体的に紹介する。これまでもさまざまなイベント会場で、医療用途のウェアラブル機器など、メーカー側から利用シーンを提案する場面は散見された。しかし、今回のように旅行業者や物流業者などが出展し、イベント会場で個々のサービスを直接紹介するケースは珍しいのではないか。CPS/IoT活用による社会システム、生活スタイルの変化について、その第1歩を来場者が体感できる場にしたい。
EETJ NEXTストリートで体感できる技術やサービスについて、その概要を教えてください。
菊嶋氏 「観光」、「流通」、「技術」、「インフラ維持管理」、「地域活性化」、そして「IoTスタートアップSHOWCASE」など、シーン別に展示される。観光業界からは近畿日本ツーリストに出展してもらう。ブースでは来場者に「スマートグラス」を装着してもらい、現実の風景と過去の風景をCG合成した映像を表示し、仮想現実の世界を体感してもらう「タイムトリップツアー」が予定されている。
流通業界からは楽天技術研究所に協力してもらった。商品の購買者属性や購買状況のデータから商品の賑わいを可視化する。また、デジタルサイネージを活用したインターネットショッピングなどのデモを通じて、ネットとリアルが融合された新しい買い物スタイルが提案されることになっている。
技術コーナーでは、産業技術総合研究所が、CPS/IoTを実現するための要素技術と、これらの技術を用いた「自動走行車いす」や「位置姿勢計測システム」など、近未来のカタチを示すことになっている。インフラ維持管理コーナーでは、ドローンを用いた重要インフラモニタリングなど、内閣府が進めている戦略的イノベーション創造プログラムの一端が紹介される。
地域活性化コーナーでは、ウエストユニティス、コネクトフリー、SIRCなど、ユニークな地域の中堅・中小企業が開発したCPS/IoT応用技術やサービスが紹介されることになっている。また、IoTスタートアップSHOWCASEには、約20社のスタートアップ企業が出展し、IoT分野に関連した先進的なサービスや製品などの実物展示を行う予定である。
これとは別に、NEXTイノベーションエリアには、「ベンチャー&ユニバーシティエリア」なども設けている。ベンチャー企業の出展数や展示スペース規模は、前回に比べてほぼ2倍に増えた。研究/開発成果の情報発信に加えて、技術革新を加速していくために必要となる新規パートナーを、イベント会場で探すベンチャー企業も増えているようだ。
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