Xilinx(ザイリンクス)は2015年10月14日、2016会計年度第2四半期(2015年7〜9月)の業績を発表し、前四半期比/前年同期比ともに減収となったが、データセンター/通信向けについては好調だったとした。
Xilinx(ザイリンクス)は2015年10月14日、2016会計年度第2四半期(2015年7〜9月)の業績を発表した。売上高は5億2800万米ドルで、前期から4%、前年同期から13%減少したという。2016会計年度第2四半期の純利益は1億2700万米ドルで、アジア太平洋地域の売上高が同社全体の40%を占めた。
Xilinxの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるMoshe Gavrielov氏は、プレスリリースの中で、「第2四半期は、安定した収益性と新製品の堅調な成長を達成した。売上高は予想通り、有線/無線通信部門が増加し、防衛部門の落ち込みを相殺する形となった」と述べている。
Xilinxは2015年10月8日にQualcommとサーバ分野で提携したと発表したが、Xilinxはデータセンターの将来性を確信しているという。Xilinxのデータセンターと通信向け事業は毎年5%ずつ成長していて、2016会計年度第2四半期の売上高の41%を占めている。
Gavrielov氏は、データセンターを成長市場、ネットワーク、ストレージ、アクセラレーション分野を同社の3つの柱と位置付けているという。Xilinxはネットワークとストレージ市場では好位置につけているものの、競争の激しいアクセラレーション市場では数種類のアーキテクチャと並んで中間層に位置している。
同氏は、「Intelは明らかに最も高いシェアを占めているが、同社のようなポジションを獲得するには、大規模独立企業を顧客に持ち、複数のソリューションを提供できなければならない。そのためにも、Qualcommにとどまらずパートナーシップを拡大していきたい。データセンターは将来、当社にとって有意義な成長機会をもたらすと確信している。これまでとは異なる次元で高みを目指す戦略も考えている」と語る。
Gavrielov氏は、「その戦略における最大の課題となるのが消費電力だ。消費電力を抑えたデバイスを提供できれば、Intel以外のx86サーバ市場に向けたソリューションで他社との差別化を図ることができる」と続けた。
Gavrielov氏は、「サーバアクセラレーション市場は、数億〜数十億米ドル規模に成長すると予想される」としながらも、「同市場に頼るのは時期尚早だ。当社が同市場で結果を出すには数年の期間が必要だ」と述べた。
2016会計年度第2四半期の産業、航空宇宙、防衛部門は前年比12%減で、同期の売上高の41%を占めたという。放送、民生機器、車載部門は前期比3%減で、売上高の18%だった。
Gavrielov氏は、「製品別に見ると、FPGA製品群『7シリーズ』は『Zynq-7000ファミリ』が非常に好調だったことから売り上げが回復し、20nmプロセス技術を適用した『UltraScaleファミリ』も予想を上回る売り上げを達成している。技術面でのリードを維持し、16nmプロセスを適用した『UltraScale+ファミリ』を予定より早く出荷できたこと*)に満足している」と語った。
*)関連記事:ザイリンクス、16nm世代FPGA「Zynq」を出荷
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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