IEDMは過去、東海岸のワシントンD.C.と西海岸のサンフランシスコで交互に開催されてきた。具体的には、西暦で奇数年がワシントンD.C.、偶数年がサンフランシスコ、という順番である。
地理的に東海岸は欧州が近く、西海岸はアジアが近い。そして米国内ではどちらかと言えば、西海岸に半導体メーカーと半導体製造装置・材料メーカーが集中している。
半導体産業は、黎明期は米国と欧州が強かった。IEDMは東海岸で始まり、イベントとしても東海岸での開催が盛り上がっていた。しかし日本、そして韓国、台湾で半導体産業が立ち上がり、技術開発でも世界の最先端を走るようになると半導体産業全体の地域的な中心が西海岸へと比重を移すようになった。IEDMの参加者は東西が逆転し、サンフランシスコ開催が参加者数でワシントンD.C.開催を上回るようになった。IEDMに限らず、東海岸と西海岸の両方で開催していた半導体関連のベントは、東海岸開催での集客力が相対的に低下した。
半導体回路技術の研究成果を披露する世界最大の国際学会ISSCCは当初、東海岸のニューヨークと西海岸のサンフランシスコで交互に開催していた。しかし10年以上前に、ニューヨークでの開催は取りやめとなり、サンフランシスコ開催のみに変化した。半導体製造装置と材料の展示会であるSEMICON(セミコン)は当初、東海岸のセミコンイーストと西海岸のセミコンウエストの2つの展示会が米国内で開催されていた。しかしセミコンイーストは休止され、現在はセミコンウエストだけが米国内では開催されている。
そしてIEDMも、東海岸での開催が取りやめられる。今回、すなわち2015年のIEDMが、ワシントンD.C.で開催される最後のIEDMになる。2016年以降は、サンフランシスコのみでIEDMは開催される予定である。
(次回に続く)
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