11月から「Hewlett Packard Enterprise」と「HP Inc.」の2社に分かれたHP。競合であるDellやLenovoの動きに逆行しているとみるアナリストもいるが、分社化については賛同する見方もあるようだ。
HPが2015年11月1日(米国時間)、分社化を行った。サーバやストレージといったエンタープライズ向けの事業を行う「Hewlett Packard Enterprise」と、PCやプリンタ事業を手掛ける「HP Inc.」の2社となった。
HP Inc.において、チーフテクノロジストを務めるShane Wall氏は、「PC市場は現在、かつてない低迷状況に陥っている。しかし、コンピューティング市場は今後、ウェアラブル機器やIoT、3Dプリンタなどの分野における技術革新によってけん引されていくだろう」と語った。
アナリストたちはこれまで、シリコンバレーの象徴ともいえるHPが分社化したことや、PC市場の将来について、さまざまに異なる見方をしてきた。Wall氏は、EE Timesのインタビューに対して、将来に関する自身の考えや、これまでの経験に基づいた興味深い話などを語り、楽観的な見方を示している。
同氏はこれまで、長年にわたってHPに在籍し、自身のキャリアの大半をPC業界において培ってきた。同氏は、「既存のPC市場には、技術革新の余地が大いにある」と述べ、HPが今後参入していく新しいコンピューティング市場について語った。
Wall氏は、HP Inc.について「既に今後5年間の見通しを定めている」と述べている。同氏は、HP Inc.の研究開発施設の管理業務にも携わる予定だという。
HPの今後の見通しを簡単に要約すると、それは「融合された現実世界」と表せるだろう。例えば、モバイルコンピューティングが衣類に融合されたり、デジタルの世界と現実の世界が“IoT”として融合されたり、3Dプリンタが仮想現実を物理的な現実に変えたり、といったことが挙げられる。
Wall氏は、「この先うまくいけば、大きな成長を遂げている分野において、膨大な数の新規ビジネスを開拓できると考えている」と述べる。
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