Infineon Technologiesが2015年度(2015年9月期)の業績を発表した。それによると、売上高は前年比34%増の57億9500万ユーロ。2015年1月に買収が完了したInternational Rectifier(IR)が、早くも利益に貢献しているとする。さらに、自動運転なども追い風となっている。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2015年12月8日、2015年度(2015年9月期)の業績に関する記者説明会を都内で開催した。それによると、2015年度の売上高は57億9500万ユーロで、前年度の43億2000万ユーロに比べ34%増加した。利益率は、2014年度の14.4%から1.1ポイント増加し、15.5%となった。なお、2015年1〜9月までの売上高には、Infineonが同年1月に買収を完了したInternational Rectifier(IR)の売上高が含まれている。
Infineonの日本法人インフィニオンテクノロジーズジャパンの社長を務める森康明氏は、IRが早くも利益に貢献していると強調する。Infineonは、事業部合計の利益率の目標値を15%に設定している。同社の2015年度第4四半期(7〜9月期)の利益率は17.9%と、既に15%を超えており、当初の予定よりも1年以上前倒しで目標値を達成したという。
森氏は、「InfineonとIRの製品は重複が少なかったので、買収によって製品ポートフォリオが拡大した。IRの買収によって、次世代パワー半導体分野では、Infineonが手掛けてきたSiCに加えてGaNが追加され、ロボット向けなどのIPM(Intelligent Power Module)*)を手掛けられるようになった。さらに、IRの知名度が高かった米国やアジア太平洋地域などでも存在感を高めることができた」と述べた。
*)IPM:IGBTやゲートドライバIC、通信用ICなどを1つのモジュールに搭載したもの。
事業部門別に売上高をみると、車載事業部が23億5100万ユーロ、高耐圧/大容量のパワー半導体を扱うインダストリアル パワーコントロール事業部が9億7100万ユーロ、パワーマネジメント&マルチマーケット事業部が17億9400万ユーロ、クレジットカードなどに搭載されるセキュアICを扱うチップカード&セキュリティ事業部が6億6600万ユーロで、いずれも2014年度に比べて増加した。
なお、インフィニオンテクノロジーズジャパンの売上高は3億9900万ユーロ。ただし、森氏によると成長率は前年比で40%と、Infineon全体よりも高くなっている。「車載とパワーマネジメントが伸びた」(森氏)。
Infineonは、「車載」「パワー」「セキュリティ」を、注力分野の3本柱に据えている。車載半導体市場では、2015年4月の時点で世界シェアは10.5%。首位のルネサス エレクトロニクスにあと1.5ポイントまで迫っている。Infineonの日本法人インフィニオンテクノロジーズジャパンの社長を務める森康明氏は、Infineonの強みとして「センサーから車載向けパワー半導体、車載向けマイコンまでを持っているのでシステムとして提案できること」を挙げる。パワー分野では、発電から送電、産業機器から民生機器受けまでカバーする幅広い製品ポートフォリオを武器に、19.2%の世界シェア(2015年9月時点)を獲得してトップに立っている。セキュリティでも、NXP Semiconductorsに次ぐ2位の座を獲得している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.